デンマークのバルト海に浮かぶボーンホルム島で13日(土)に観測された一連の小さな揺れは科学者たちを困惑させたが、現在では「未知のソースからの音響圧力波」によって引き起こされた説が有力となっているとAP通信が伝えている。
当初、この揺れは地震によって引き起こされたと考えられていたが、次に地震学者たちは、140キロ以上離れたポーランドでの人為的爆発に起因するものであると考えた。15日(月)、地下を監視する公的機関であるデンマークとグリーンランドの地質調査所(GEUS)は、「この揺れは地震によるものではなく、大気中の事象による圧力波である」と発表した。しかしながら、それらは「未知のソース」から来たものだという。
GEUSは声明の中で、「ボーンホルムで最初に揺れが報告される直前に行われたポーランドでの制御された爆発に由来する揺れとは考えにくい」と述べている。
GEUSは13日(土)、ボーンホルムで午後、「地震のような揺れ」(深い地鳴り、揺れ、ガタつき、耳の中の圧力変化と表現される)があったという情報を「60以上」の人々から受け取ったと発表した。地元警察も、島の東部で起きた揺れについて一般市民から通報を受けたと述べている。デンマークのメディアは、この揺れで家の壁に亀裂が入ったと報じている。なお、この揺れによる怪我人は報告されていない。GEUSによると、揺れはマグニチュード2.3で計測されたという。
ポーランド当局は、ポーランド北部のウストカで行われたAnakonda23演習では、ジェット戦闘機や大砲弾の実弾射撃が行われ、集中的な活動が行われたと発表している。
デンマークの気候エネルギー公益事業省内にある独立した研究諮問機関であるGEUSは、ボーンホルムに2つの地震計を設置し、24時間体制でデータを収集していると述べた。
約4万人が暮らすボーンホルムは、スウェーデンの南、ドイツの北東、ポーランドの北に位置するバルト海に浮かぶ岩だらけの島だ。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.16)