オアフ島のカエナポイント自然保護区でハワイアンモンクシールに近づいて写真を撮るカップルが目撃されたことを受け、ハワイ州当局は、絶滅危惧種のハワイアンモンクシールに近づかないよう再度注意を呼びかけている。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、州土地自然資源局(DLNR)が10日(水)に受け取った情報には、カエナポイント州立公園でモンクシールと記念撮影をしているカップルの写真が含まれていたという。このカップルは、米国海洋大気庁(NOAA)の安全のためのガイドラインを遵守していなかったことに加え、モンクシールの周囲で小型犬を野放しにしていた。
DLNRの自然保護資源執行課チーフのジェイソン・リデュラ氏は、「遺憾ながら、我々はその場にスタッフを配置していなかったが、この無責任な行動を説明するために、情報提供者からの写真を公開したかった」と述べている。
NOAAは、モンクシールから少なくとも50フィート(約15.2メートル)、子連れの場合は150フィート(約45.7メートル)の距離を保つことを推奨している。また、犬は、モンクシール、特にその幼体に大きな危険をもたらす可能性があるため、リーシュ(紐など)でつないでおくべきだとしている。
双眼鏡やカメラのズームを使って遠くからアザラシを観察することは可能だが、観察時間は数分程度にとどめることが推奨されている。また、ビーチで寝ているモンクシールやウミガメの邪魔をしたり、ましてや触れたり、追いかけたり、餌を与えることは禁止されている。
こういった行為は、危険な状況を招く可能性が高く、絶滅の危機に瀕している野生動物を保護する連邦法および州法の下で違法となる可能性があると当局は述べている。実際に、近年、同様の違反行為で有罪判決が下されたケースは複数ある。
リデュラ氏は、「モンクシールは絶滅の危機に瀕しており、最高レベルの保護が必要だ。地域住民や旅行者が、安全な野生動物観察のガイドラインや、我々人間の行動に関するルールや法律について知識を深めることを望んでいる」とコメントしている。
違法行為や疑わしい行為を発見したら、DLNR(808-643-DLNR)またはDLNRTip App経由で報告することができる。また、違反行為の写真や動画は、[email protected] までメールで送信することが可能となっている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.16)