アメリカの航空業界でパイロット不足が深刻化していることに対し、「フューチャー&アクティブ・パイロット・アドバイザーズ」(FAPA)では、27日(土)に就職活動中のパイロットを対象としたジョブフェアと飛行士志望者を対象としたフューチャー・パイロット・セミナーをハワイで開催予定であるとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
FAPAのチーフアドバイザーであるティム・ジェンス氏は、「パイロットの人材不足は、航空会社やチャーター便業界における大きな懸念であり、パイロット退職者イベント、就職フェア、将来のパイロットに向けたセミナーなどの対面式イベントは、この問題に取り組む上で極めて重要だ」と述べている。なお、過去2回のイベントには300人以上が集まったという。
米国でのパイロット不足は、2020年に航空旅行が崩壊した際、航空会社がパイロットに早期退職を促したことで悪化した。米国労働統計局の最近のデータによると、この10年間、航空会社および商業用パイロットの募集は年平均約1万8100人で、その多くが退職者の穴埋めとなっている。
現役パイロットの半数以上が、今後15年以内に65歳の定年を迎えるが、現在の若いパイロットの数だけでは定年退職者を補うことができない状態だ。
パイロット・ジョブ・フェアは、商業免許または250時間以上の飛行経験を持つパイロットを対象としており、航空会社の採用担当者と会う機会を得ることができる。これまでに参加を表明しているのは、ハワイアン航空、エア・ウィスコンシン航空、アトラス航空、連邦航空局、国家核安全保障局、スカイウエスト航空、ウィールズアップ社。
フューチャー・パイロット・セミナーでは、飛行訓練中、またはこれから始めるパイロットを対象に、ウィールズアップ社とエア・ウィスコンシン航空のパイロット採用担当者と、カリフォルニア航空大学の学校担当者が、航空業界でのキャリアを目指す志の高い学生に対してガイダンスを行う予定となっている。
ラスベガスで開催されるパイロット・リタイア・イベントは、航空会社でのキャリアを成功裏に終えたパイロットを祝福すると同時に、航空業界の特定の分野におけるパイロット不足を解消することを目的としたイベントだ。パイロットの定年は65歳だが、キャリアの延長を希望する人は、定年のないチャーター便のポジションに就く資格がある。
なお、いずれのイベントも、参加者は事前登録が必要となっている。
●パイロット・リタイア・イベント
- 開催日:5月22日(月)〜24日(水)
- 場所:MGMグランドホテル(ラスベガス)
- 時間:22日(月)午後5時30分~午後7時30分、23日(火)午前8時~午後9時、24日(水)午前8時~午後8時
- 参加費:無料(駐車場代は別)
https://www.fapafinancial.com/pilots
●パイロット・ジョブ・フェア
- 開催日時:5月27日(土)午前8時~正午
- 場所:プリンスワイキキホテル
- 参加費:無料(駐車場代含む)
●フューチャー・パイロット・セミナー
- 開催日時:5月27日(土)午後2時~午後4時
- 場所:プリンスワイキキホテル
- 参加費:無料(駐車場代含む)
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.15)