チェルノブイリの「アトミック・ウォッカ」1,500本が輸出保留に
ウクライナのチェルノブイリ・スピリット・カンパニーは最近、同社が製造した「アトミック・ウォッカ」をイギリスに輸出しようとした。しかし、複数の問題により出荷した1,500本全てがウクライナ国境で立ち往生していると、ニューヨークポスト紙が報じている。
キエフの検察当局は、ウォッカの原料として使用されているリンゴなどの生産地が、チェルノブイリ立入禁止区域近隣であることに問題があると述べている。また、ウォッカのボトルに添付されている「物品税支払い済み」のスタンプは偽造されたものと認識しているという。これに対しチェルノブイリ・スピリット・カンパニーは、「ボトルにはイギリス国内での販売に適した物品税スタンプが付いている」と反論している。
アトミック・ウォッカの原材料は、1980年代半の原発事故で有名なチェルノブイリ原子力発電所の近隣地域で収穫されたリンゴなどが使われているという。ウォッカの原材料には超微量の放射性物質が含まれている可能性があるものの、チェルノブイリ・スピリット・カンパニーの科学者チームは、蒸留後のウォッカから放射性物質が検出されなかったと報告している。
ウォッカに付けられた商品名とは裏腹に、アトミック・ウォッカは他のどのウォッカよりも放射性物質の含有量が低いと言われている。チェルノブイリ・スピリット・カンパニーは、「アトミック・ウォッカの販売は、未だチェルノブイリ原発事故の影響を受けている地域の経済活性化に繋がる」と述べている。
(日刊サン 2021.05.12)
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