チャイナタウンでホームレス激増 住民に不安広がる
ホノルルで最古の地区の1つ、チャイナタウンではホームレスが増加の一途をたどっている。住民の間には不安が広がり、リック・ブランジャルディ市長に効果的で迅速な対応が求められている。
パンデミックが始まった昨年、市の衛生センターがホームレスに提供していたノースパウアヒ・ストリートのシャワー2つとトイレが感染拡大防止のため閉鎖された。その後、状況はさらに悪化した。例えば、リバーサイド・ストリートで31年間バーバーショップを経営しているエリザベス・テンプルさんの朝は、夜の間に店の前に残された人間の糞便と尿を片付けることから始まる。
市長のコミュニケーション・チームとホノルル警察署は、2019年からブランジャルディ市長就任後の第1四半期までの期間、オアフ島全体、公園、ダウンタウン、チャイナタウン、カカアコで要求されたホームレス関連の複数の質問状に対する迅速な回答を行わなかった。ブランジャルディ市長または市長の代理人は、アロハタワー・ドライブで6日午後6時から行われるダウンタウン・チャイナタウン住民委員会の会議に出席し、ホームレス問題について言及する見込みだ。
ホノルル市住宅局のアントン・クラッキー事務局長は先月、スター・アドバタイザーに「現在の(警察の)ホームレス一掃作戦のアプローチ方法にそもそも間違いがある」と語った。市は、この夏から新しいアプローチ方法「Crisis Outreach Response and Engagement(CORE)」を計画している。ソーシャル・ワーカーや医療専門家、メンタルヘルス専門家チームが対応するホームレスのホットラインを24時間年中無休で設置する予定という。
19年間ホームレス生活を送っているというイボンヌ・クリスティーさん(64)は、チャイナタウンでは、警官がより寛容に見えると述べた。「警官は全く誰とも接触しない。だからホームレスの誰もがゴミ拾いに集中できる。(この状況は)ホームレスにとってはプラスだ」。スター・アドバタイザーの記者が取材をした日、チャイナタウンでは、女性がノースホテル・ストリートを叫びながら歩き、蓋の開いたペットボトルの水を歩道に撒いて、歩道で水がかかった男性が彼女の後を追っていた。また、上半身裸の男がショッピングカートを押しながら冒とく的な言葉を叫び、銀行が32万ドル以上彼からだまし取ったと言っていた。
チャイナタウンの小売業者にとって、ホームレス問題が依然として重大な問題であることは間違いない。閉店の際、小売業者は毎夜落書きだらけの合板シートのついたシャッターを閉める。ダウンタウン・チャイナタウン住民委員会のメンバーで、チャイナタウン・ビジネス&コミュニティ協会創設者のチュー・ラン・シュベール・クウォック氏は、もう1つの問題として「チャイナタウンでは100店舗超の小売業やレストランがパンデミックのため閉業を余儀なくされた」と話した。また、ソーシャルディスタンスの規制を受け、ホームレスシェルターで使用できるベッドが少なくなっていることもホームレス増加に拍車をかけている。
住民は、6日に行われるダウンタウン・チャイナタウン住民委員会会議場でのブランジャルディ市長の発言に注目を集めている。
写真:Xenya_Daniels / Shutterstock.com
(日刊サン 2021.05.03)
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