イギリスの野生生物保護団体は、世界で最も人里離れた孤島のひとつで、13カ月間にわたり、野鳥の生息数を調査する意欲のある人を求めている。

BBCによると、王立鳥類保護協会（RSPB）は、アフリカから約1500マイル（約2414キロ）離れた南大西洋に浮かぶイギリス領のゴフ島で、新たにフィールドオフィサーを募集する求人情報を掲載した。

求人情報によると、給与は2万5000ポンドから2万7000ポンド（3万5000ドル以下）で、理系の学位または同等の現場経験が必要で、さらに鳥類の追跡を「頻繁に長時間」行う意欲が必要とされている。求人には、「この職業は、関連するフィールドワークのスキルと野生生物への強い関心を持ち、南極の厳しい遠隔地での小さな島の生活にうまく適応できる、意欲的で規律正しい候補者にユニークな機会を提供する」と掲載されている。

ゴフ島はイギリスの海外領土であるトリスタン・ダ・クーニャの一部で、定住者はいないが、RSPBは7人を雇用しており、約800万羽の鳥が生息している。なお、この島へ行く手段は船しかないという。

ユネスコは、ゴフ島を南大西洋に営巣する海鳥にとって重要な避難場所であり、比較的手つかずの生態系を持つとして、世界遺産に指定した。赤道から南緯40度から50度に位置するため、強風にさらされやすい環境となっている。

この島で働く7人のスタッフのうち、レベカ・グッドウィル氏とルーシー・ドーマン氏はBBCの取材に対し、毎年ストックされる2つのウォークイン冷凍庫に保存されているパックや冷凍食品を食べていると語っている。グッドウィル氏によると、「運営団体は、2週間のスタッフ引き継ぎ期間に1年分の食料を島に運び、私たちスタッフはそれを食べて生きている」と述べている。

島は孤立しているが、インターネットに接続できるため、スタッフは英国の友人や家族と連絡を取ることができるという。グッドウィル氏は、「おかしいかもしれないが、スコットランドで仕事をしていたときよりも、ここからの方が友人や家族とつながっているような気がする。結婚式や葬儀に出席できないときでも、話を共有し、互いに学び、支え合うことができる」と語っている。