バナナを壁に貼り付けた12万ドルの芸術作品を、韓国の美術学生が「お腹が空いたから」という理由で食べたことがメディアで話題になっている。
ガーディアンが報じるところによると、ノー・ヒョンスさんは、ソウルのリウム美術館で、まわりの人々が唖然とする中、バナナの皮を剥いているところを撮影されたという。バナナを食べ終わると、その皮を同じガムテープで壁に貼り付け、立ち去った。
コリア・ヘラルドは、美術館の職員からバナナを食べた理由を聞かれたヒョンスさんが、朝食を抜いてお腹が空いたからと答えたと伝えている。また、地元放送局のKBSに対し、「現代美術の作品を傷つけることもアートワークと解釈できる」と語り、「面白いと思ったんだ……食べるためにそこに貼ってあるんじゃないのか?」と付け加えた。
このバナナを用いた作品は、イタリア人アーティスト、マウリツィオ・カッテラン氏の作品「Comedian」の一部で、2019年、マイアミ・アートバーゼルで12万ドルで落札された。その展覧会デビューの際、このバナナはパフォーマンスアーティストのデヴィッド・ダトゥーナ氏によって剥がされ、食べられたという。
なお、ニューヨークの名門グッゲンハイム美術館がホワイトハウスに貸し出した金のトイレも、このイタリア人作者の作品である。同美術館は、ゴッホの1888年の作品「雪のある風景」を邸内に展示したいという要望を却下し、代わりにこのトイレを提案した。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.2)