ハワイ州外からの旅行者が公園やトレイルを訪れる際に料金を課す、いわゆる「グリーンフィー」を盛り込んだ法案が、今議会では可決に至らなかったとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
グリーンフィーについての上院法案(SB)304の最新版では、州内のトレイルや公園への影響を相殺するために観光客に料金を課すというコンセプトが拡大された。SB304では、州土地自然資源局にビジター・インパクト・フィー・プログラムを設置し、旅行者は州立公園、森林、ハイキングトレイル、その他の自然区域を訪問する際にライセンスが必要となり、同局は年間50ドルのライセンス手数料を徴収するという内容が含まれていた。
SB304を審議した上下両院合同会議委員長のショーン・クインラン州議員(ワイアルア・ハレイワ・プナルウ地区)は、この法案の可決には時間が足りなかったと語った。今議会では通過しなかったが、同氏は夏の間、この法案に取り組む予定で、「このアイデアにとても力を入れている」と述べた。
合同委員会の上院側委員長であるロレイン・イノウエ上院議員(ヒロ・ペペケオ地区)は、法案が否決されたことに対し、「動揺した」と語った。ハワイ島で21年間観光業に携わってきた同氏は、旅行者に料金を請求することは正しいことであるとする一方、提案された50ドルという料金は少なすぎるとし、「海面上昇、地球温暖化、二酸化炭素の浸透、そして公園への対策とするならば、知事が推奨する50ドルだけでは不十分だ」と述べた。
州内で最も人気のある公園やトレイルへの影響を相殺するために旅行者に課金するというアイデアは、依然として賛同者も多く、州土地自然資源局、計画・持続可能な開発局、ハワイ気候変動緩和・適応委員会など、複数の組織がSB304の最新版を支持する証言を提出した。その一方、料金が増えることで観光が阻害されることを懸念する人も少なくない。
このグリーンフィー法案は、ジョシュ・グリーン州知事の今議会での主要な優先事項の一つだったが、今議会で通過しなかったことを受け、知事の広報部長のマカナ・マクレラン氏はスター・アドバタイザーに対し、「知事は法案が通過しなかったことに失望しているが、ハワイの自然、文化、環境資源の保護に引き続き尽力する。現政権は、これを機会に観光地の管理について広く話し合い、今年の法案から得たすべてのフィードバックを使って、次のセッションに向けて詳細な法案を作成するつもりだ」と声明で述べている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.5.2)