ハワイパシフィックヘルス(HPH)は、医療従事者の感染レベルを調査するために、7200人の従業員を対象に新型コロナウィルスの抗体検査を実施するとしている。
ハワイパシフィックヘルスは、傘下にカピオラニ女性と子供の医療センター、パリモニ医療センター、ストラウブ医療センター、カウアイ島のウィルコックスヘルスをもつ医療機関であり、ハワイで初めて従業員に対して無料で抗体検査を提供する。
コロナ感染から2週間後に体内で作られる免疫プロブリンG(IgG)を検出するための血液テストを4月30日から提供し始めたクリニカルラボハワイが抗体検査を行うことになっており、費用はおよそ36万ドルである。
CEOのレイ・バラ氏はニュースリリースの中で「抗体検査はハワイ経済再開のために役立つ。我々は経済的にも公衆衛生の観点からもハワイをより良い場所にしたいと願っている」と述べた。
今回行われる抗体検査は、感染しているが症状がない人や軽度の症状の人の体内にある「病気と闘い、ウィルスを中和するために体内で作成されるタンパク質」を検出するための検査である。
クリニカルラボがテスト用血液サンプルを採取してから48から72時間後に結果が判明する。
HPHの副社長であるメリンダ・アシュトン博士は「大規模な従業員グループの感染状態を知ることで、無症状感染者の数や地域でどの程度感染が広がっているかを知ることができる。また、現在行われている感染防止の取り組みがどの程度機能しているのかを知るのにも役立つ」と述べた。
血液による抗体検査は無症状感染者を検知するためのもので、(陽性か陰性か)感染診断のために使用されるものではない。
感染診断テストは鼻の奥に長い綿棒を挿入してウィルス粒子を検出する。
アシュトン博士によると「感染診断テストはタイミングが重要で、感染を知るために毎日全ての人が行わなくてはいけないが、実際にはそんなことはできない。感染ピークは数週間前に過ぎており、今は外に出て、抗体検査をする良い機会である」
従業員に対する抗体検査は任意だが、会社は全従業員に検査を受けることを奨励しており、検査は5月第2週から始まる。
一般市民がこの抗体検査を受けるためにはかかりつけ医師の指示が必要で、費用は50ドルである。
(日刊サン 2020.5.1)