乗客6人がユナイテッド航空提訴 328便エンジントラブル巡り
デンバー発ホノルル行きのユナイテッド航空328便が今年2月20日、離陸直後に深刻なエンジントラブルで緊急着陸した事故を巡り、現在までに計6人の乗客がユナイテッド航空を提訴している。シカゴのクリフォード法律事務所は27日、328便の乗客の代理人としてユナイテッド航空に対し4件の訴訟を起こしたことを発表した。これらの民事訴訟で原告側は、事故が原因の精神的苦痛に対する補償金を求めているが、金額は明らかにされていない。シニア・パートナーのロバート・クリフォード弁護士は「ストレスの多い状況下では、透明性のある情報を得ることが不可欠だ」と述べている。
「328便は無事に着陸したが、旅客機が飛行中、乗客にこういった高いストレスをかける事態が起こっている際は、乗務員ができるだけ透明性のある情報を提供することが不可欠だ。聞くところによると、エンジントラブルが自明であったにもかかわらず、客室乗務員はメーデーの間の24分間、情報や保証を乗客に提供しなかった。乗客は、最悪の事態が起こることを予想するしかなかった」。クリフォード法律事務所は他に、ペンシルベニア州在住の夫婦、メリーランド州在住の男性、ハワイ州在住の男性ら3人の合わせて6人の乗客が個別にユナイテッド航空を提訴したと述べた。
この事故では、328便が離陸直後の午後1時4分、高度4,000メートル付近で左右2基のエンジンのうち右側の1基が故障した。エンジンは炎上を始め、複数の部品や破片が住宅街の約1.6キロ四方にわたって落下。パイロットがメーデー(緊急事態)を宣言してから24分後の午後1時28分、328便はデンバー空港に無事着陸した。けが人などはいなかった。
写真:Ryan Fletcher _ Shutterstock.com
(日刊サン 2021.04.29)
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