ハワイ州下院議会は、学校でハワイ語の使用を禁じることとなった法律を施行したことについて、ハワイ先住民に対し謝罪する決議を採択したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
ハワイ先住民の言語を除こうとした行為について謝罪するとした下院決議130は、英語とハワイ語の両言語で書かれている。
1896年に制定されたハワイ共和国の法律第57条では、「すべての公立学校と私立学校において、英語を指導の媒体および基礎とする」と記されている。
今回の決議を下院案として提出したパトリック・ブランコ議員は、「この法律は学校での教育と指導を英語で行うことを求めていますが、現実的には公の場においてハワイ語を使用することを禁じ、私的な場所での使用にも影響を及ぼしました」と述べている。
この法律自体はハワイ語を使用することを禁止していないが、ハワイ語を話すと罰せられる結果になったという。
「祖父は学校でハワイ語を話すと叱られました。そして、ハワイ語を話す家庭では英語を話すと怒られたのです」
元州知事ベン・カエタノ氏は、ソーシャルメディアに「学校でハワイ語を話して罰せられた生徒を見たことがない」という投稿をして炎上し、後に謝罪している。
「私が学校に通っていた1940年代には、ハワイ語を話すハワイ先住民の子供たちはいませんでした。基本的にはこの法律があったからです」
ブロンコ議員は、「今回の件はカエタノ元知事にとって、ハワイアンの歴史、言語、文化という面に関して、まだやらなければならないことがたくさんあるということを理解する、良い機会になったと思います」と述べている。
この法律は、ハワイがアメリカの州となってからも実際に残され、ハワイ大学ヒロ校で、ハワイ語を専門とするラリー・キムラ准教授がハワイ語を子供たちに教えるプログラムを始めるまで、その存在は忘れ去られていた。
キムラ氏は、「1984年に子供たちにハワイ語を教え始めたのですが、86年になって、学校でハワイ語を指導用語として使うことが許されていないということが分かったのです」と語った。
その後、この問題が認知されるようになり、法律はすでに撤廃されている。
キムラ氏によると、現在およそ2万人がハワイ語を使用しており、その数は増加傾向にあるという。
「現在、州教育局では23のハワイ語に関するプログラムを提供しており、3,600人以上の生徒たちがハワイ語を学んでいます。今後みんながハワイ語を話す日が来るでしょう」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.4.28)