ハワイ州の人口増加率低迷
過去10年間で0.68%
米国国勢調査局が4月26日に発表した2020年の国勢調査によると、ハワイ州の人口は過去10年間で7%増加し、全米50州中40番目の増加率だった。人口は145万5,271人で、2010年と比べ9万4,970人増加している。
しかしこの数値は、ハワイ州の10年間の平均人口増加率が1900年以来最低ラインだったことを示しているという。州政府経済専門家チーム代表のユージーン・ティアン氏は、2010年から2020年までの平均年間人口増加率は0.68%であり「合衆国全体の0.71%よりわずかに低い」と話した。人口増加率伸び悩みの要因として、少子化に加え、多くの人々がハワイ州外に引っ越していることにあるという。ハワイは他州に比べて生活費が高いほか、本土にはより多くのの職種や就職の機会があるためだ。また、ハワイ州外から引っ越してきた人々の多くが、ハワイに数年間住んだ後、以前住んでいた州に戻っている。一方、少子化の原因として、出産年齢の女性(15~49歳)人口の減少、育児や教育にかかる費用の増加、結婚しない人々の増加があるという。
保守派の研究機関Grassroot Institute of Hawaii CEOのケリイ・アキナ氏は、人口増加率伸び悩みの最も大きな要因は、生活費の高さだと結論づけている。アキナ氏によると、高税率や、今や「天文学的数値」といえる高額な住宅費に加え、企業や就職が難しいといったことが生活費の高さに繋がっているという。「より良い仕事や緑豊かな牧草地は、本土にあるようだ。しかし、まだこの場所にいる我々のような人々は今のところ幸運だ。多かれ少なかれ、不本意ながらハワイを去った人々を知っているからだ。彼らは家族や故郷から離れたくはないが、生き残る必要がある」
ハワイ州ビジネス経済開発観光局は、2020年から2045年までのハワイの人口増加率について、過去10年間よりもさらに低い年間0.47%の増加を予測している。ティアン氏は「人口増加率低迷によるプラス要素として、住宅の需要が減少する可能性ということがある」と述べた。米国国勢調査局は今年後半期、さらに詳細な数値を発表する予定だ。
(日刊サン 2021.04.27)
シェアする