連邦救済基金の約50%が州内の企業減税に充てられる見通し 明日の州議会で最終決定
連邦救済基金の約50%が州内の企業減税に充てられる見通し
明日の州議会で最終決定
ハワイ州に直近で割り当てられた連邦救済基金について州議会関係者らは、低所得労働者や失業者の救済を含むいかなる種類の税控除もカバーすることは不可能としている。アメリカ救助計画法に基づき、州に割り当てられた16億ドルのうちほぼ半分が州内にある企業の減税目的で使用される見込み。州上院・下院議会で27日に最終投票される予定の州予算は、昨年の失業率の高騰で発生した増税から企業を保護するため、7億ドル以上の救済計画資金を割り当てている。
この動きについて、Unite Here Local 5の財務秘書で会計担当のエリック・ギル氏は「議会は裕福層に利益をもたらすためのマネーゲームをしている」と憤りを見せた。Unite Here Local 5は、州内の1万2,000人のホテルやレストラン、ヘルスケアに従事する人々で構成される労働団体。ギル氏は「ハワイの観光産業を構成するいくつかの世界的大企業は減税を必要としない」と主張している。
デービッド・イゲハワイ州知事や議会幹部、及び企業関係者らは「ハワイ州内の非常に多くの企業が景気低迷で悪戦苦闘している中、企業に減税を提供することは理にかなっている」としている。その上で「この減税は、企業の経営維持や雇用主が労働者を雇用することに役立つ。結果的に州の経済全体を後押しするだろう」という見解を示した。
他州では昨年、ドナルド・トランプ前大統領が制定したパンデミック下での経済安全保障法が提供した援助資金で失業補償信託基金を補充し、企業への増税を防いだ。一方、これはある程度の党派的議論を引き起こした。共和党は企業の減税を支持し、一部の民主党員は「資金が最も困窮している人々に直接送られるべきだ」と主張した。その後、ジョー・バイデン大統領が3月11日、経済安全保障法にリンクするAmerican Rescue and Recovery Planに署名したことで、連邦政府のガイダンスはこのような慣行を妨げているようにも見えた。このプランにおいて州は、直接的及び間接的に減税を相殺することを目的とした資金提供の禁止を言い渡された。
シルビア・ルーク議員を始めとする下院議会幹部らは、連邦政府のガイダンスが税控除を目的とした連邦救済基金の使用を禁止している事実を強く主張しており、現在連邦政府に対し、信託基金の補充費用を賄う目的の連邦政府資金の使用の可否を確認するためのより詳細なガイダンスを提供するよう要請している。
(日刊サン 2021.04.26)
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