警官関与の銃殺傷事件、ACLUが独立機関に調査要請 ホノルル
黒人男性で非武装だったジョージ・フロイドさんの死に関し、昨日、殺人罪で起訴されていた元ミネアポリスの警察官に対して有罪判決が下された。このニュースは、最近ホノルルで発生した警察官が関与した2件の銃殺傷事件についての議論に拍車をかけている。
ホノルル・スター・アドバタイザーの報道によると、今回のフロイド事件の判決について、ハワイ州の黒人コミュニティ組織「ポポロ・プロジェクト」創設者のアキエミ・グレン氏は「長期的に考えると、この判決にどんな意味があるのかはまだ分からない」と意見を述べた。昨年夏のフロイド事件後、地元の警察当局は「ハワイ州ではこの種の問題についての議論は必要ない」とグレン氏に話したという。しかしその数ヶ月後『ハワイ先住民及び太平洋諸島民』に対するホノルル警察の権限の施行が過剰であることが報告された。グレン氏は「その中には黒人も含まれると解釈している。ハワイ州の人口の黒人の割合は2%から4%だが、警察のハワイ先住民及び太平洋諸島民に対する権限施行過剰率は7%と報告されている」と述べた。
元ミネアポリス警察官のデレク・ショーヴィン被告は、地面に横たわるフロイドさんの首を膝で約9分間にわたり圧迫して殺害した。フロイドさんは偽造された20ドル紙幣を使った容疑をかけられていたが、グレン氏は「適切な処罰とは言えない」と話した。「チューク人の少年やズール人の男性に対しての適切な対応だったと言う人もいる。これはこういった事件が起こるたびに聞かされる世の中の典型的な反応だ」
イレマンバー・シカップさん(16)は、複数の犯罪に関与したとされる車を運転中、パアワ地区で複数回銃撃され死亡した。また、リンダニ・ミエニさん(29)は強盗が発生したとされるヌアヌ地区の住宅敷地外で射殺された。当局が公開したボディカメラの映像では、ミエニさんと乱闘になった警官が、ミエニさんに地面に伏せるよう命じる前にしなければならない身元の宣言を実行していなかったことが明らかになっている。また、ホノルル警察は20日、未成年者が関与していることを理由にシカップさん銃撃の際のボディーカメラの映像を公開しないことを発表した。
グレン氏は「フロイド事件の判決は単なる手続きや訓練よりも大きな力が働いているように思える。文化的及び社会的な観念により、有色人種であることを困難かつ危険なものにしている場所は多い」と述べた。そして「警官が殺人で有罪判決になることは非常にまれで、画期的な出来事だった。このことが我々を体系的変化に導くのか、それともホノルルや他の場所での警察のマニュアルを改訂するだけなのか。どうなるのかはまだ分からない」と付け加えた。
ハワイのACLU(アメリカ自由人権協会)は、最近ホノルルで起こった2つ事件について、警官の明示的な、または暗黙の人種的偏見がこの状況で何らかの役割を果たしていた可能性について問題提起している。
(日刊サン 2021.04.21)
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