2月に交通事故現場でホノルル警察官に激突し、重傷を負わせたとして起訴された運転手は、ようやく運転免許を剥奪された。この運転手は事件の約1カ月前に飲酒運転で逮捕されていたが、約2カ月間、特に何か制限されるということもなく、運転することを許可されていたという。この一連の件は、飲酒運転の手続きと免許取り消しに関する懸念を浮き彫りにしているとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
免許取り消し処分の目的は、刑事事件が何カ月もかかる間に、飲酒運転の疑いがあるドライバーを運転させないようにするためだが、法の専門家によると、それは実現されていないという。
トレンチノ・マルティネス容疑者は、ホノルル警察のフェリックス・ガスメン巡査に激突したほぼ1カ月前、交通違反で警官に車を止められていた。その際、アルコール度数は0.143で、法定基準値である0.08をはるかに超えており、飲酒運転で逮捕された。
1月14日(土)に飲酒運転で逮捕され、最初の許可証は30日間だった。しかし、2月7日(火)、逮捕に関わった警官の1人が出席できなかったため、免許取り消し審理は継続され、その結果、許可は3月10日(金)まで延長され、制限もなかった。H-3フリーウェイで別の事故の対処中だったガスメン巡査にマルティネス容疑者の車が激突したのは、この延長期間内の2月19日(日)だった。
法律専門家のビクター・バッケ氏は、この事件は免許取り消し手続きが機能していない理由を表しているとし、「最初の逮捕から何カ月も延長許可証で運転しているドライバーは珍しくない」と語った。同氏は、許可延長について、日中のみ、職場との往復に限定するといった、裁判所から課される何らかの制限が必要だと述べている。
マルティネス容疑者の弁護士であるジョナサン・バージ氏によると、同容疑者は、ガスメン巡査を負傷させた事故の犯人として逮捕されたわけではないという。同容疑者は他の車両にぶつかるのを避けるためにハンドルを切らなければならなかったと主張している。また、事故当時、容疑者には飲酒の疑いはなく、逮捕されることもなかったという。「現場には警官もいた。彼らは実際に起こったことのすべてを見ている」とバージ弁護士は語った。
なお、ガスメン巡査は事故後、何度も手術を受けており、現在も入院中だ。同僚警官が、家族を助けるためにクラウドファンディングのページを立ち上げている。
ガスメン巡査へのクラウドファンディングはこちら。
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写真:Christian Mueller / Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.20)