ホノルル高速輸送公社(HART)エグゼクティブ・ディレクター兼CEOのロリ・カヒキナ氏は、現在およそ100億円をかけて準備中の鉄道について、第1区間が7月に開通することを明言したとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
リック・ブランジャルディ・ホノルル市長は、3月14日(火)に行われた市政報告会にて、鉄道の開通時期を7月にすると発表。市長の宣言を支持するために、カヒキナ氏はHARTの150人以上のスタッフに、「市長を嘘つきにするつもりはない。期日までに終わらせよう」とメールを送ったという。それ以来、カヒキナ氏は、鉄道の第1区間である東カポレイからアロハスタジアムまでの区間を市の交通サービス局が運営・維持するための準備を整えるなど、前進に尽力してきた。
しかし、2つの大きな課題も残されている。試運転と、高架支柱の補強だ。
カヒキナ氏によると、「日立レール」の無人運転列車の試運転の第1段階では144のテストシナリオを完成させる必要があり、第2段階ではシステムの実証を行う必要があるという。「日立レールが98.5%を達成するのに45~60日かかると予想されていたが、日立はなんと35日間、2日(日)に完成させた。これには日立自身を含め、みんなが驚いた」と同氏は語っている。
将来の鉄道駅を支えるために使用されるレール柱の上部のハンマーヘッドと呼ばれるT字型支持部に、2018年に細い亀裂が発見されているが、カヒキナ氏はこの亀裂の修繕については現在対処中であると述べた。鉄道路線西部の21のハンマーヘッドに亀裂が見つかっており、亀裂を悪化させる湿気を防ぐためにエポキシ注入が行われている。
現在、修理が必要な支柱が8本あり、修繕工事に必要な鉄筋がアメリカ本土から到着したという。「現場ではすでに修繕の作業を始めており、5月末終了の予定だ」とカヒキナ氏は述べている。
修繕コストの負担については決定していないとしつつも、現時点では請負業者の「キウィット・パシフィック」社がすべての請求額を負担している状態となっている。
また、7月の第1区間の開通準備とともに、鉄道路線の第3区間の工事も同時進行している。請負業者の「Nan Inc.」は、ダウンタウン区間に向かう東側でディリンハム・ブルバードに沿ってユーティリティの移設作業を続けている。ダウンタウン区間では、「Frank V. Coluccio Construction Co.」が、ハレカウヴィラ・ストリートに計画されているシビックセンター駅の終点までを担当する。
カヒキナ氏は、ダウンタウン区間のカリヒからシビックセンターまでの6つの駅のうち、1つまたは複数の駅の建設を延期することもあり得ると発言している。「資金がない場合、絶対に検討しなければならない事柄だ。それはあくまで最終手段だが、もし他に手立てがなければ、やむを得ないだろう」
一方、パールハーバー・ヒッカム統合基地からミドルストリート交通センターまで、5.2マイル(約8.4キロ)にわたり高架ガイドウェイに沿って4つの駅が登場する「エアポート・ガイドウェイ&ステーション」について、カヒキナ氏は、線路や駅といったインフラは2023年末までに完成するはずだとコメント。日立による通信システムを導入し、2025年の開通を目指していると語った。
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写真:NIKKANSAN
(日刊サン 2023.4.18)