14日(金)の夜中、西オアフのマイリ地区にて行われた闘鶏の後、銃を持った男性が人々に向け発砲、2名が死亡、3名が負傷する事件が起きた。地元のリーダーは、この事件によりワイアナエ・コーストの警察官不足が浮き彫りになったことや、闘鶏関係者の逮捕と起訴を促進する法律の必要性を示唆していると語ったとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
ホノルル警察殺人課のディーナ・トームズ警部補によると、闘鶏の終わりに男性グループの間で喧嘩が起こり、銃の乱射が起きたという。現在も犯人は捕まっておらず、ホノルル警察では引き続き犯人の捜索を行っている。なお、目撃者によると、犯人は20代の地元の男性だという。
今回の発砲により、34歳男性のギャリー・ラベリツァさんと59歳の女性(名前非公開)が亡くなった。また、40歳、57歳、38歳の3人の男性が負傷している。
ナナクリ・マイリ地区委員会のパティ・カハナモク・テルヤ氏によると、闘鶏は、ワイアナエ・コーストで問題になりつつある違法賭博場よりずっと以前からあるという。多くの闘鶏場は、違法賭博場と同じく、田舎の裏道などの隠れた場所にあり、麻薬の流通や売春、人身売買といった犯罪の温床となっており、金銭をめぐる喧嘩や暴力が起こりやすい。同氏は、「地元住民の多くはこれについて語ろうとしない。報復を恐れて身動きが取れない状態にある」と語っている。
警察が闘鶏を取り締まるためには、実際に警官が金銭のやり取りや闘鶏開催の場面を目撃する必要があるが、現場を押さえることが難しいため規制には至っていない。テルヤ氏は、警察による監視などがなく、「みんな何が起こったか知っているが、私たちは無視され、放っておかれている」と語る。
ホノルル警察は、エヴァビーチからマカハを過ぎたケアワウラまでの地域で、350人の警官が不足していると報告している。2016年、160万ドルをかけてワイアナエ警察署が設置されたが、2023年現在、未使用のまま放置されている。
テルヤ氏は、闘鶏は文化的なものではなく違法行為だと述べている。闘鶏場には警備役がおり、警察が近づくと参加者に知らせる役目を担っている。彼らはしばしば道をふさぎ、見慣れない車を止めてドライバーに質問をするという。「本当に気をつけなければならない。彼らは武器を持っており、ますますひどくなっている」
なお、ハワイ州では闘鶏は禁止されており、闘鶏に軽犯罪の罰則がある8つの州のうちの1つとなっている。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.17)