マウイ島で妊産婦の心配が高まっている。その理由は、マウイ島で唯一の個人経営の産科診療所が10月で診療を終了することになったためだとハワイ・ニュース・ナウが報じている。
産科診療の終了が決まったのは「マウイ・ラニ・フィジシャンズ&サージョンズ」で、これによりマウイ島で妊産婦に対する診療を行うのは「カイザー・パーマネンテ」と「マラマ・マラマ・イ・ケ・オラ」の2カ所のみとなる。
連邦政府認定のヘルスセンターであるマラマ・イ・ケ・オラは、今回終了が決まったマウイ・ラニに通院していた「かなりの数の」患者を受け入れたが、声明の中で、「現在のキャパシティでは、この個人診療所のサービス停止によって生じる産科診療不足を完全に解決するには至らない」と述べている。
マラマ・イ・ケ・オラは、マウイ島の妊婦に、保険会社に問い合わせることを勧めており、また、地元議員にも援助を求めているという。
州上院議員のギルバート・キース=アガラン氏は、「マラマ・イ・ケ・オラによると、1カ月あたり約40~55人の民間保険加入者が産科ケアを受けられなくなる。それらはカイザーに加入していない人たちだが、保険会社が解決策を考えてくれるかどうかが重要だ」と述べた。
医療保険会社のハワイ医療サービス協会(HMSA)は、マウイ島での産科医不足を認識しており、継続的なケアのための解決策を提携医療機関とともに模索中だという。HMSAのアシスタント副社長ロリ・アン・デイヴィス氏は、「妊婦患者への払い戻し、またはオアフ島への移動手配を行っている」と語り、現在加入している保険プランの特典や補償についてサポートが必要な場合は、カスタマー・リレーションズ・ライン808-948-6079に電話するよう促している。
州議員のテレズ・アマト氏は、この状況を「受け入れがたい」とし、「4人の子どもの母親として、またヒューマン・サービスの副委員長として、そして消費者保護委員会と保健委員会のメンバーとして、心を痛めている。医療を受けることは人権だ」と述べている。
一方、医師のための支持、教育、代理を使命とする非営利団体のハワイ医療協会(HMA)は、「ハワイの医師不足の悲惨な状況について、マウイ島の妊婦たちは危機感をつのらせている」と述べ、州議会で長期的な提案が検討されているが、妊婦らは待っていられないと批判。「医療と公共政策に携わる地域のリーダーたちに、この迫り来る災害に今すぐ対処することを求める」と訴えている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.14)