斜面の安定化工事のため9カ月間閉鎖されていたマウイ島の観光名所のイアオ渓谷州立公園が、まもなく再開される見込みとなっている。再開後、ハワイ非居住者は事前予約が必要になるとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
イアオ渓谷は、マウイ島で最も人気のある景勝地のひとつで、浸食によって形成され、「太平洋のヨセミテ」とも称される場所だ。標高1200フィート(約366メートル)の高さを誇る尖峰のクカエモク(イアオ・ニードル)があることで知られている。また、1790年にカメハメハ大王がマウイ島を征服したケパニワイの戦いの舞台であり、文化的、精神的にも重要な場所とされている。
再開後のイアオ渓谷州立公園では、ハワイ非居住者に対し事前予約制の有料駐車場システムが採用される。これは、スケジュールを組むことで過剰な混雑を避け、ハワイの自然資源に対する観光の影響を抑えることができ、かつ州全体の公園運営システムに収入をもたらすものとなる。
ダイヤモンドヘッド州立公園、カウアイ島北岸のハエナ州立公園、ハナのワイアナパナパ州立公園では、すでに非居住者は予約が必要となっており、イアオ渓谷州立公園は同様のシステムを採用する4番目の州立公園となる。また、他3つの公園と同様、ハワイ州民は予約不要で、駐車料金や入場料も無料となる。
イアオ渓谷州立公園は、イアオ・ニードル展望台に向かう短いトレイルや、民族植物園を周回する舗装された道があるが、2016年9月の激しい雨と洪水による被害から生じた400万ドルの斜面安定化プロジェクトの最終段階のために、昨年8月から閉鎖されている。州土地自然資源局(DLNR)はこの閉鎖を4月15日(土)までとしていたが、今週、ウェブサイトに「(公園の再開は)追って通知するまで延期する」という通知を掲載した。しかし、新しい駐車場予約システムが導入されたことで、すぐにでも再開される可能性があるという。
DLNR州立公園課のアラン・カーペンター氏によると、パンデミック以前は年間推定50万人がイアオ渓谷州立公園を訪れており、そのうち約25%がハワイ住民だったという。「同公園の3分の1の駐車スペースがハワイ住民のために確保され、地元の人たちは予約なしで入園できる。観光客でごった返すことなく、ゆったりと自分たちの公園を回ることができる」と同氏は語っている。
イアオ渓谷州立公園の駐車料は1台10ドル、入場料は1人5ドルで、閉鎖前と同じ金額が維持される。また、営業時間は午前7時から午後6時までで、最終入場は午後4時30分となる予定。
DLNRによると、マウイ島ではマケナ州立公園でも同様の予約・有料システムの導入を検討中とのこと。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.14)