新型コロナウィルス感染対策の規制が緩和されてから、これほど早く観光業が回復するとは、専門家すらも予想していなかったとKHON2が伝えている。
ハワイ大学マノア校の観光マネージメント学のジェリー・アグルサ教授は、ハワイ州における観光業の回復は、業界の人々が仕事に復帰するペースを超えていると述べている。
「現実問題として、観光業において人手不足となっています。ホテル、レストラン、観光、小売業も含めて、あらゆるサービス業で人手が足りません。これはハワイ州だけの問題ではなく、アメリカ全土で起こっていることなのですが、私たちは特に観光業に依存しているために、より顕著になっています」
州観光局では、どのようなスキルとトレーニングが業界で必要とされているのかを見極めるために、現在調査を行なっているという。
アグルサ教授は、こういった調査は、応募する側と業界が欲しい人材をマッチングさせるために、有効な手段であると評価している。
「新しい従業員を確保してトレーニングをしてから、その人が仕事に向いていないということが明らかになるという場合がありますが、人材確保にかかる費用とトレーニング費用が無駄になってしまいます。必要とされるスキルを持ち、トレーニングをすでに受けた人材を探すことで、その問題を解決することができるのです」
しかし、それは簡単なことではないという。
同氏によると、仕事をやめる人の80%は直属上司との関係が理由だという。
「仕事を辞めるのは、金銭が理由なのではなく、もっといい仕事が見つかったからというわけでもありません。人間関係が問題なのです」
アグルサ教授は大学での授業で、より良いマネージャーになるための教育に力を入れているという。
現時点では、日本を含めて海外からの観光客はまだほとんど来ていないが、今後規制緩和が行われれば、来訪人数が増え、観光業界の人手不足はさらに深刻化する可能性もある。
ホテルやレストランでは、人手不足解消の手段としてコンピューターの導入を検討しているが、アグルサ教授によると、それでは人手不足を解消することはできないという。
「より多くの雇用をするより他に、人手不足を解消する方法はありません」
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.4.12)