来年より、「シルク・ドゥ・ソレイユ」の常設開催都市にハワイが加わることになったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。

シルク・ドゥ・ソレイユのレジデントおよびアフィリエイトショー社長であるエリック・グリリー氏は10日（月）、ホノルル・スター・アドバタイザーに対し、ハワイをテーマにした独占ショーを開発中であること、また複数年のパートナーシップの一環としてアウトリガー・ワイキキ・ビーチコマー・ホテルのショールームに設置される予定であることを語った。「来年、シルク・ドゥ・ソレイユは40周年を迎えるが、ここハワイでショーを始められることは、40周年を祝うのにふさわしい」

アウトリガー・ホスピタリティ・グループの社長兼CEOであるジェフ・ワゴナー氏によると、最先端のオーディオビジュアルシステムを導入し、2万平方フィート（約562坪）の会場を改装するための許認可プロセスが進行中だという。この会場は、かつて長きにわたり愛されたショー「マジック・オブ・ポリネシア」が行われていた場所で、シルク・ドゥ・ソレイユのショーは800席、2024年12月のデビューが予定されている。

ワゴナー氏は、「エキサイティングな時期だ。アウトリガー・ワイキキ・ビーチコマーは、ワイキキの50ヤード線上という、ホノルルやビーチ・コミュニティで最も目立つ大通りにあり、シルク・ドゥ・ソレイユのような世界的なショーにとって、まさに素晴らしいロケーションだ」と述べている。会場の建設と再開は、ハワイに新しい雇用をもたらし、トリクルダウンによる経済効果も期待できる。また、1回の公演で動員できる800人の観客は、近辺で買い物や食事をする可能性もある。

ハワイ大学で民族音楽学の博士号を取得したネイティブハワイアンのアーロン・J・サラ氏が、このプロジェクトのクリエイティブ・カルチャー・プロデューサーに就任。シルク・ドゥ・ソレイユのアクロバットと革新性を、ハワイの自然美や独自の文化と融合させたショーの制作をコンサルティングする予定となっている。サラ氏は、「ハワイで最も強力なホテルブランドのひとつが、世界で最も強力なエンターテインメントブランドのひとつと提携するという事実は、信じられないほどの偉業だと思う」と語っている。

アウトリガーはワイキキから始まった75年の歴史を持つ会社で、ハワイ、タイ、フィジー、モーリシャス、モルディブでホテルビジネスを展開している。アウトリガーは、その土地の文化を最重要視したホスピタリティモデルで知られ、パートナーシップによるローカル体験の促進、ローカル文化の保護、自然資源の保護などを目指している。

シルク・ドゥ・ソレイユは、80の国籍の約4000人のスタッフが従事し、世界中で31のショーを上演し、チケットの総数は年間950万枚にのぼる。グリリー氏は、ハワイのショーでどれだけの雇用が増えるかは不明だが、かなりの数になるだろうと述べた。

サラ氏は、博士論文のための研究の中で、シルク・ドゥ・ソレイユのルーツがハワイにあることを示す逸話に出くわしたという。シルク・ドゥ・ソレイユの創設者であるギー・ラリベルテ氏はサーカス団員だったが、ワイキキの人々からインスピレーションを受け、「動物を見るより、人間がすごい技を繰り出すサーカスを見たらどうだろう」と考えたのだという。名前の「ソレイユ」の部分は、ラリベルテ氏の自宅があるコナの夕日から着想を得たと、サラ氏は語る。「いろいろな意味で、シルクはハワイに帰ってくる」

サラ氏によると、まだ初期段階なので明確なことは言えないが、ハワイ公演では、ハワイ島、オアフ島、ワイキキ、カルアオカウ（ワイキキビーチコマーがある土地で、エマ王妃の信託の一部）の物語を包括するテーマを検討しているという。