国家統計局ISTATは、イタリアの出生数が2022年に40万人を下回る歴史的な低水準に落ち込み、人口減少が続いていることを発表したとフォックスニュースが伝えている。
イタリアの乳幼児死亡は国家的緊急事態とされており、この問題の解決は、同国初の女性首相となったジョルジア・メローニ首相が昨年の選挙時に掲げた政策公約のひとつでもあった。
ISTATの年次人口統計報告書によると、昨年、イタリアでは出生7人に対して12人以上が死亡し、居住人口は17万9000人減少して5885万人になったという。2022年に39万2600人の出生を記録し、前年の40万249人から減少、14年連続で減少し、1861年に国が統一されて以来最低の数字となった。同機関は、「主な要因は、従来、出産可能であると考えられている15〜49歳の女性人口の減少と高齢化にある」と述べている。
出生率は2021年の女性1人につき1.25人から1.24人に低下し、中部と北部で低下、南部でわずかに上昇した。この傾向は移民によって一部相殺され、2021年の16万人の純流入に対し、昨年は22万9000人の移民が上回った。外国人は2022年に国内人口の8.6%、合計505万人を占めた。イタリア全体の人口は2014年以降、着実に減少しており、それ以降の累積損失は、同国第2の都市であるミラノの住民に相当する136万人以上となった。
ISTATは9月に、イタリアはほぼ5分の1の人口を失う可能性があり、基本路線としては2050年に5420万人、2070年に4770万人に減少すると予測している。また同機関の最新の報告書によると、イタリアの4人に1人が65歳以上であり、100歳以上は過去20年間で3倍の2万2000人に達したという。
2022年の平均寿命は82.6歳で、裕福な中部・北部地域の人々は貧しい南部地域の人々よりも長生きする傾向にある。また全体として、イタリアで生まれた男性は80歳6カ月まで、女性は85歳近くまで生きられると予想されている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.4.10)