トレジャー・ハンター、墓地を掘り起こした罪で懲役刑宣告
イエローストーン国立公園で、トレジャー・ハンティングのために墓地を掘り起こしたことが発覚した男性が懲役6か月の刑を言い渡された。 男性はユタ州シラキューズのロドリック・ダウ・クレイソーン(52)。「考古学的資源の発掘と損傷」の罪で、6ヶ月の懲役に加え、6ヶ月の自宅拘留と2年間の保護観察の判決を受けたことをワイオミング地区連邦検事局のプレス・リリースが発表した。クレイソーンはさらに 3万1,566ドル(約350万円)の賠償金を支払う必要がある。
ワイオミング州合衆国地方裁判所のスコット・スカブダール裁判官が3月31日、クレイソーンに上記の判決を下した。イエローストーン国立公園の最高責任者、カム・ショリーさんは声明で、この事件について「国立公園の最近の歴史における考古学的資源への最も大きな損害」と述べた。
プレス・リリースによると、2019年後半から2020年初頭にかけ、クレイソーンはフォート・イエローストーン墓地に17の穴を掘り、墓を損傷した。墓地は国定歴史建造物に指定されており、1888年から1916年の間に埋葬された少なくとも54人の墓がある。米連邦検事局によると、クレイソーンはニューメキシコ州の美術商フォレスト・フェンさんの埋蔵物を探していたという。 墓地で地面を掘り起こした罪で逮捕されたクレイソーンは、昨年10月、連邦大陪審によって起訴され、今年 1月、考古学的資源の発掘と国の財産損傷の罪を認めた。
フェンさんは2010年、ロッキー山脈とその周辺地域に金や宝石、現金を埋蔵したことを発表した。埋蔵場所の手がかりは自身が書いた本の詩の中にあるとし、その後10年にわたるトレジャー・ハンティングが開始された。埋蔵物は2020年6月にワイオミング州で発見され、フェンさんは数ヶ月後に亡くなった。
フェンさんの埋蔵物が起因した事件は、前述のクレイソーンの事件だけではなかった。トレジャー・ハンティングが行われた10年間で、数人が命を落としたとされる。また、私有地での違法な掘り起こしなどもあり、警察はフェンさんにトレジャー・ハンティングを中止するよう促した。2020年に埋蔵物が発見されたことで、フェンさんは「ハンティングは終了した」と発表した。
フェンさんは自身のウェブサイトで次のように述べた。
「宝物はロッキー山脈の緑豊かな森林に覆われた植生の星の天蓋の下にあり、10年以上前に私が隠した場所から動いていなかった。誰が見つけたかは分からないが、私の本の詩が彼を正確な場所に導いた」
(日刊サン 2021.04.01)
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