アリゾナ州フェニックスにあるアイスクリームチェーン店の「デイリークイーン」(DQ)では、店の外に飾られていた巨大な赤いスプーンが盗難被害に遭ったとAP通信が伝えている。
同店のオーナーであるカルラ夫妻によると、スプーンが盗まれたのは、24日(金)深夜から25日(土)未明にかけてだという。高さ15フィート(約4.5メートル)のスプーンは、屋根の欄干の隙間にスプーンの柄が収まる形で建物の外に立てかけてあった。監視カメラには、2人組がスプーンを土台に固定しているネジを外し、その後「小型バイク」に乗って去っていく様子が映し出されている。
デイリークイーンは、ソフトクリームと一緒にプラスチックの赤いスプーンを配ることで知られている。今回、盗難被害が発生したのはフェニックス店で、アリゾナのデイリークイーンの中で唯一、子どもがすっぽり隠れるほどの巨大な赤いスプーンが設置されており、人気の撮影スポットとなっていた。
「スプーンがないと空っぽで不完全に見える。多くの人があのスプーンと一緒に自撮りをしてインスタグラムに写真を載せていた」と妻のプジャ・カルラ氏は語る。インド系移民のカルラ夫妻は、2007年にミネソタ州からフェニックスに移り住み、デイリークイーンの運営に乗り出すことを決意。現在、34のフランチャイズ店舗を所有している。
夫妻は、スプーンの紛失を広めるために、いくつかの面白い戦略を試みているという。フェニックス店のスタッフは、赤いスプーンとDQのロゴとともに「Where’s my spoon?」と書かれたTシャツを着始める予定。また、フェニックス市街地の他の店舗では、ポスターが掲示される。
フェニックス警察では現在調査中だが、容疑者はまだ特定されていない。夫のラマン・カルラ氏によると、新しいスプーンの制作、配送、設置には7000ドル以上の費用がかかるという。同氏は犯人に対し、「このスプーンは大きすぎて何も食べられない。ただスプーンを返してほしいだけだ。質問は一切しない」とメッセージを発している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.31)