非居住者がハワイの州立公園、ビーチ、森林、ハイキングトレイル、その他の自然地域を訪れる際に、年間料の支払いを義務付ける「ビジター・インパクト・フィー」法案が審議中であるとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ビジター・インパクト・フィーは、別名グリーンフィーとも呼ばれており、15歳以上の旅行者に、州の自然資源を利用するための年間50ドルのライセンス購入を義務付ける内容となっている。この内容を盛り込んだ上院法案(SB)304は、29日(水)、下院財政委員会にて要修正で可決された。
この法案では、州土地天然資源局(DLNR)にビジター・インパクト・フィー・プログラムを設置し、5人の常勤職員のための資金を提供するとしている。また、特別基金を創設し、ハワイの自然および屋外レクリエーション資源の保護、修復、再生、強化、管理のための持続的な資金を提供するとしている。DLNRはこの法案を強く支持しており、この基金から非営利団体に補助金を分配することが可能となる。
DLNRのドーン・チャン局長は書面証言の中で、「パラオ共和国、ガラパゴス諸島、ニュージーランド、モルディブといった観光に特化した経済圏では、グリーンフィーが確立されたことにより、自然資源への投資を拡大し、観光が環境に与える影響を全体的に軽減し、旅行体験の質を改善し、これらの特別な場所の管理体制を支援できるようになっている」と述べている。
この法案の通過は、ハワイの議員の間で、旅行者が訪れるスポットをより良く管理しようという動きに合致するものであり、すでにいくつかの前例がある。しかし、特にハワイの観光業界では、この法案が旅行者を混乱させ、最悪の場合、観光需要を減退させるのではないかという懸念も広がっている。
「KV&アソシエイト・ホスピタリティ・コンサルティング」の代表であるキース・ヴィエイラ氏は、ハワイの観光客はすでに全米で最も高い宿泊税(TAT)を支払っており、2021年に各群で独自のTAT徴収が可能になったことで30%上昇したことを指摘し、「旅行者は投票しないし、何をやってもどうせ来るという思い込みがある。税収を上げるための代替案がないため、ハワイ第一の産業を利用しているだけだ」と批判している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.30)