【世界のこぼれ話】ロボット犬、身を挺して流血事件を回避 マサチューセッツ州
マサチューセッツ州で起こった家での立てこもり事件で、ロボット犬が活躍し、悲劇を回避するのに役立ったとAP通信が伝えている。
「ロスコー」と名付けられたこのロボット犬は、マサチューセッツ州警察の爆弾処理班の一員で、6日(水)、同州バーンスタブルにある家に配備された。警察による発砲の後、爆弾処理によく使われる他の2台のロボットを家に送り込み、ロボット犬とともに容疑者を発見した。
州警察によって遠隔操作されたロボットは、まず2つのメインフロアをチェックした後、地下室にいる人物を発見した。ライフルで武装したその容疑者は、ロボット犬を2度倒してから3発撃ち、通信を不能にした。容疑者はその後、警察が催涙ガスを撒き、逮捕する前に、他のロボットの一体と屋外のプールに発砲した。
この事件は、武装した容疑者を含む戦術的任務において、ドアを開けたり階段を昇ったりできるモバイル・プラットフォームの利点を端的に示す例となった。州警察は、声明にて、「容疑者宅にロスコーを投入することで、重要な部屋の確認と状況認識能力をカバーするだけでなく、対応段階では、人間のオペレーターを投入する必要性がなくなり、警察官が銃撃戦に巻き込まれることを防ぐことにつながった」と述べた。
「Spot」ロボットとして知られるロボット犬を製造した「ボストン・ダイナミクス」社によると、そのうちの1匹が撃たれたのは今回が初めてだという。同社は声明にて、「その日の犠牲者が我々のロボットだけであったことに安堵している。Spotのような移動型ロボットが人命救助に使われる素晴らしい例だ」と述べた。
なお、当局は犯人を特定しておらず、どのような罪に問われているのかも明らかにしていない。
ロスコーは弾丸を除去するためにボストン・ダイナミクス社に送られ、新しいユニットが州警察に送られる予定となっている。
画像:facebook.com / Massachusetts State Police
(日刊サン 2024.3.28)
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