コロラド州中央部のレンタルホームで、妻とジャグジーに浸かっていた男性が、野生のマウンテンライオン(ピューマ)に頭を引っかかれる事件が発生したとAP通信が伝えている。
コロラド州公園野生生物局によると、男性は18日(土)の夜、同州ナスロップの西にある森の中の分譲地で、野外にある埋込み型のジャグジーに浸かっていたところ、何かに頭を掴まれたような感覚を覚えたという。その正体がピューマだとわかると、男性はそのピューマに向かって叫び、水をかけ始め、妻は懐中電灯でそのピューマを照らした。
当局によると、その後ピューマはジャグジーから退いて丘の上に移動したものの、夫婦を見続けていたという。
男性と妻は室内に移動し、傷を洗浄し、偶然にもコロラド州公園野生生物局で働いているレンタルホームの所有者に連絡をとった。男性は頭頂部と右耳の近くに4カ所の浅い傷を負っていたが、医療機関にて治療を受けるほどではなかった。
コロラド州サライダを拠点とするその地域の野生生物局の管理者のショーン・シェパード氏は、「ピューマは、地上の暗闇の中で男性の頭が動くのを見たが、ジャグジーにいる人たちを認識できなかった可能性が高いと思われる」と述べている。また、ピューマに襲われた際、音を立て、ライトを当てるという夫婦の行動は正しいとコメントしている。
事件発生後すぐ、州野生生物局のスタッフが小川の近くの急な尾根に沿ってピューマを探し始めたが、凍った雪の中に足跡を見つけることはできなかった。同局では近くに罠を仕掛け、アウトドア活動で知られる山岳地帯のナスロップ付近でピューマの活動を監視し続ける予定としている。
今回の夫婦とピューマの遭遇は、コロラド州で報告されているピューマが人を襲ったケースにおいて、2022年2月以来初めての事例となった。野生生物当局によると、コロラド州では1990年以降、ピューマによる被害で少なくとも27人が負傷し、そのうち3人が致命傷を負い死亡している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.22)