ジョー・バイデン大統領は、21日(火)、ワシントンD.C.の米国内務省で開催された「ホワイトハウス自然保護活動サミット(White House Conservation in Action Summit)」で講演を行い、米国太平洋離島群(U.S. Pacific Remote Islands)周辺海域を、国立海洋保護区に指定することを検討するプロセスを開始すると発表した。なお、この動きは、昨年ハワイで多くの指導者や自然保護専門家によって提唱されたものであるとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
米国太平洋離島群海域を国立海洋保護区に指定するよう提唱した人物の一人、エド・ケース下院議員(ハワイ郡)は、今回のバイデン大統領の行動を称賛している。同議員はニュースリリースの中で、この海域が地球上で最後の手つかずの海洋環境であると同時に、最も崩壊しやすい状態であると言及。「私たちの世界の海は致命的な危険にさらされている。持続が不可能なほどの漁業乱獲や資源の採取、ゴミや陸上からの汚染、気候変動による広範囲への影響などの要因により、海洋環境は限界点に達している」と述べている。
太平洋離島群モニュメント海域は、ベーカー島、ハウランド島、ジャービス島、ジョンストン環礁、ウェーク環礁、パルミラ環礁、キングマンリーフという7つの島と環礁の周辺の、中央太平洋の約49万5189平方マイルの地域にあたる。
米国太平洋離島群海域の一部は、2009年に当時のジョージ・ブッシュ大統領により国定海洋記念物(National Marine Monument)に指定され、2014年に当時のバラク・オバマ大統領により拡大された。
今回のケースでは、ハワイの太平洋離島群連合(Pacific Remote Islands Coalition in Hawaii)と協力して、太平洋離島群海域を排他的経済水域の全範囲まで拡大し、新たな聖域として指定すること、特に現在保護されていないハウランド島とベーカー島、パルミラ環礁、キングマンリーフの周辺海域の保護を強く求めてきた。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.22)