ハワイ州のホテルの稼働率は今年低調なスタートを切ったが、州の「セーフ・トラベル」プログラムが3月25日に撤廃されることで、夏に向けての期待が高まっている、とホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
テネシー州に拠点を置き、ホテル業のデータ分析を専門に行う「STR」社によると、今年2月のハワイのホテルの稼働率は72.1%で、パンデミック前の2020年2月の84.7%と比べると低い数値となったという。
「セーフ・トラベル」プログラムによると、今年2月にハワイ州を訪問した人数は601,264人だが、パンデミック前の2020年2月にハワイに来た観光客は828,056人(ハワイ観光局の調べ)だという。
州内のホテル事業者が加盟しているハワイ・ホテル協会の会長であるジェリー・ギブソン氏は「ホテル側は2月にもっと稼働率が上がると予想していたのですが、海外からの観光客がまだ来ないこと、大きな会議や会社による褒賞旅行が開催されないことから低い数字になったとみています。海外からの観光客とビジネス関係の旅行は大きな要素なのです。隣島はそれほどでもありませんが、オアフ島にとってこの2つは非常に大きい要因です」と述べている。
州内の平均ホテル料金は351ドルで2020年2月よりも13%増加しているが、それだけでは稼働率の低さをカバーしきれないという。
「しかし、春休みには観光客数が増えてきているので、状況は良くなるでしょう。州のプログラムが3月25日に撤廃されるというニュースが発表されて以来、予約状況はよくなっています。夏に向けて数値は良くなっていくと期待しています」
ワイキキにあるサージャック・ホテルのジェネラル・マネージャーであるリネッテ・イーストマン氏は、今後に向けて明るい展望を持っているという。
「今年第1四半期は非常に好調でした。毎日数字を見ていますが、これから先は好調です」
アメリカンホテル宿泊協会は、2022年にアメリカ国内におけるホテル業界は順調に回復していくとしているが、全面的な回復までにはまだ数年かかると予想している。
「ビジネス関係の旅行の回復が遅いことと、イベントや会議の開催数が少ないことはホテル業界に非常に大きな打撃を与えています」
ハワイでは海外からの観光客が戻ることも非常に重要な要素だ。
しかし、ギブソン氏は「たとえ海外からの観光客がハワイを訪れるようになっても、ホテル業界は安心できません。バケーションレンタルはハワイにおけるホテル業に大きな影響を与えています。不法なものもまだあります」と述べている。
2021年にホテル業界は州内の宿泊の54%を占めていたが、前年から1%減少している。
一方バケーションレンタルは2%増加して州内の宿泊の18%以上を占めている。
現在ホノルル市議会では、短期バケーションレンタルに関する厳しい法案が審議されており、ハワイ観光局の代表であるジョン・デフライズ氏は法案に対して支援を表明している。
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.3.22)