マカダミアナッツ・チョコレートはハワイの代表的なお土産のひとつだが、使用されているマカダミアナッツが外国産であることを商品パッケージに表示するか否かについて、立法府で衝突が起きているとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
現在審議中の下院法案(HB)1348は、州内で販売される製品のパッケージで、ハワイ産であることを示唆する言葉や画像などがある場合、マカダミアナッツの産地を開示することを義務づけるものだ。
この法案に関して、マカダミアナッツ農園や加工会社の従業員をはじめ、州農務局やハワイ州ファームビューロなど、100人以上の法案推進者が議会での可決を要請している。
州農務局の測定基準部門のマネージャーであるリチャード・コーエン氏は、1日(水)に行われた下院司法ハワイ問題委員会の公聴会で、有力なマカダミアナッツ菓子生産者は何十年も前から自社製品にハワイ産マカダミアナッツを使用してきたが、近年はハワイブランドの製品に外国産マカダミアナッツを使用することが増えており、他の生産者が懸念を示していると語った。
ホノルルに本社を置く「ハワイアンホースト・グループ」は、1950年にマウイ島で創業し、チョコレートで包んだマカダミアナッツを初めて製造し、ハワイの人気のお土産を確立したメーカーとして知られている。
ハワイ島でマカダミアナッツを生産する「ハマクア・マカダミアナット・カンパニー」と「カウ・ファームズ・マネージメント」の役員であるジェフリー・クラーク氏は、マカダミア製品の大手メーカーが、主にアフリカ産の外国産ナッツ使用へシフトし、その影響が最近大きくなり、地元のナッツ農家に事業からの撤退を促していると主張。「業界や農家を守る必要がある」と語った。
同氏は、ハワイのマカダミアナッツを高級品として確立したのは農家であり、業界最大のメーカーは、安価な外国産マカダミアナッツを「ハワイの袋に入れる」ことで消費者を欺き、低コストでプレミアム価格を手に入れる一方で、地元の農家は需要減と価格のデフレに悩まされていると、委員会に訴えた。
法案の提案者は、ハワイアンホーストの名を明言してはいないが、HB1348の焦点が同社であることは明らかだ。同社はスナックメーカーの「マウナロア・マカダミアナッツ・カンパニー」も所有している。マウナロアは、パンデミックがハワイ観光に与えた影響により年間売上が約30%激減し、およそ1億ドルになった2021年に、投資家が同社を倒産の危機から救い出した。
州農務局によると、現在の連邦表示法では、食品パッケージにマカダミアナッツの原産地を開示する義務は、未加工の生ナッツにのみ適用されるとしている。
ハワイアンホースト・グループは、HB1348 に対し、「法案の趣旨は支持するが、法案自体には欠陥があり、強制力を持たない可能性がある」とし、反対の姿勢を取っている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.21)