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【世界のこぼれ話】脳腫瘍が消える新治療法? マサチューセッツ州

マサチューセッツ州の医療チームが、致死的な脳腫瘍と闘う人々に希望を与える可能性のある新しい膠芽腫(こうがしゅ)治療を試みているとGrayNewsが伝えている。

今週の「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」誌に発表された論文の中で、マサチューセッツ州総合がんセンターの医師らが、患者の脳腫瘍を劇的に縮小させる新しい治療法の臨床試験を行ったことが紹介された。

臨床試験の第1段階では、再発性の膠芽腫患者に新しい細胞療法が行われた。3人の患者のMRI検査では、腫瘍の大きさが著しく縮小していた。

マサチューセッツ州総合がんセンターの細胞免疫療法プログラム責任者であるマルセラ・マウス氏は、「これらの結果はエキサイティングなものだが、まだ始まりに過ぎない。この難治性疾患の見通しを変える可能性のある治療法の追求において、私たちが正しい道を歩んでいることを物語っている」述べた。

この試験では、T細胞と呼ばれる免疫細胞をがんと闘わせる方法であるCAR-T細胞療法の新しいアプローチがテストされた。患者たちは膠芽腫の「劇的で急速な」退縮を示した。

米国がん協会によると、この種の治療は、他の治療法が効かなくなった場合でも、ある種の癌の治療に非常に役立つという。

研究者らによると、74歳の男性はこの治療を受けた後、腫瘍が急速に退縮し、72歳の男性の腫瘍はわずか2日間で18.5%縮小したという。また、57歳の女性にもCAR-TEAM細胞が投与され、単回注入から5日後のMRIでは、腫瘍がほぼ完全に退縮していた。しかし、最初の3人の患者には顕著な反応が見られたにもかかわらず、すべての症例で最終的な腫瘍の進行が観察された。

研究チームは現在、治療効果を持続させる新しい方法の発見に取り組んでいる。マウス氏は、「まだ患者を治癒させたわけではないが、それが我々の大胆な目標だ」と語った。神経腫瘍学者のエリザベス・ガースナー氏も、「この3人の患者には劇的で迅速な反応がみられた。これまでの研究は、前進の兆しを見せているが、まだやるべきことはある」と付け加えた。

画像:Shutterstock.com

(日刊サン 2024.3.19)

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