犯罪を犯した公務員の年金は
元ホノルル警察署長であるルイス・ケアロハ は4月から7年間の刑務所暮らしとなる。
警察署長という自分の地位を利用して部下である警察官に指示をして、妻の叔父を陥れたという罪によって禁固刑となったからだ。
しかし一方、33年間警察に勤務したということで、毎月9,700ドルもの年金を受け取ることになっている。
このことは、公務員が自分の立場を利用して犯罪を犯したにもかかわらず、公務員年金が支払われるという状況はいかがなものかという意見が出る発端となった。
現在州議会には、もし公務員が自分の仕事に関係した罪で有罪となった場合、公務員年金の半分を裁判所によって取りあげるという法案が提出されて審議されているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
この法案はすでに上院議会を通過し、3月16日には下院の労働観光委員会も通過しており、下院での公聴会での審議を待っている状態だという。
この法案を提出したベネット・ミサルーチャ議員は「この法案によって高い倫理観を求められる地位の公務員に対する人々の信頼を取り戻すことができるだろう」と述べている。
一方で、公務員で構成される労働組合はこの法案について沈黙を貫いている。12,000人の主にブルーカラー職員を代表する組合は、スター・アドバタイザーによるコメントの要望に返事はなく、40,000人の主にホワイトカラー職員を代表する組合もまたコメントを断っており、労働組合としては公聴会で正式に意見を述べる予定はないとしている。
しかし、もしこの法案が議会を通過して法制化されたとしてもケアロハの年金は支給され、連邦裁判所によって75%が被害者への損害賠償に当てられることになっている。
ちなみに妻のキャサリン・ケアロハ は13年の禁固刑を言い渡されたが、元ホノルル検察の検察官だったキャサリンには公務員年金の支払いはないという。
(日刊サン 2021.03.17)
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