窮状の恩師を助けなければ
カリフォルニア州に住むスティーブン・ナヴァさん(21歳)は3月初め、家の近くの公園の駐車場に毎日同じ車が停まっていて、1人の老人が車の中で座っていることに気がついた。
よく見てみると、高校時代に数学を教えてくれていた代用教員のヴィヤルエル先生だということに気がついた。
先生がホームレスになって車上生活をしていることにショックを受けたスティーブンさんは、その場で手元にあった300ドルを手渡して、ホテルに泊まるように手配した。
77歳のヴィヤルエル先生は代用教員として去年の春まで働いていたのだが、新型コロナ感染対策として学校がすべてバーチャル授業へと移行したために、仕事ができなくなってしまったのだ。
それから年金だけを収入源として生活することになったが、メキシコにいる妻が病気になってお金を送らなくてはいけない状況になり、ついにはホームレスとして車で生活することになってしまったという。
高校時代に生徒たちから好かれていた良い先生だったヴィヤルエル先生の窮状を救おうとスティーブンさんは、すぐにクラウドファンディングGoFundMeで寄付を募り始めた。
「コロナ禍中で困難な状況にいる恩師を助けようという目的」で5,000ドルを目標に設定したところ、3日間で26,000ドルが集まったという。
そして先週の木曜日、コミュニティセンターでヴィヤルエル先生の77歳の誕生日パーティが開かれ、誕生日のお祝いとともに総額27,480ドルの小切手が渡された。
先生は「夢のようです。こんなことが起こるなんて考えてもみませんでした。私も何か社会に貢献するために自分で何ができるかを考えてやっていきたいと思います」と述べている。
(日刊サン 2021.03.16)
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