【世界のこぼれ話】保育園が親に娘を「かわいい」と褒めないよう忠告 イギリス
イギリスの保育園チェーンが、娘に「かわいい」「プリンセス」といった言葉をかけないよう促すハンドブックを送付したことで、保護者たちが憤慨しているとフォックス・ニュースが伝えている。
騒ぎとなっているのは「ブライト・ホライズンズ」(Bright Horizons)という保育園チェーンで、アメリカとカナダに700カ所以上、イギリスに300カ所以上を運営している。
イギリスで同保育園に子どもを通わせる保護者は、ジェンダーを想起させる言葉遣いを避けるようアドバイスする「覚醒した」ハンドブックを受け取った。同書では、親はしばしば娘の外見を褒めたり、振る舞いに対しレッテルを貼ったり、物事を完璧にできた時などに「かわいい」といった言葉で褒めがちだが、親はどのように娘を育てているか省みる必要があると書かれている。具体的には、「プリンセス」「おてんば娘」といった性別に基づく言及や、「女の子はそんな振る舞いをすべきではない」といった表現を使わないよう促す内容になっているという。
さらに同書では、親は自分の子どもが触れる可能性のあるジェンダー的な言葉に注意し、本やおもちゃ、インテリアなども特定のジェンダー的役割を押し付けないものを選ぶようアドバイスしている。
このハンドブックに対し、保護者から反発の声が噴出。ある人は、「明らかにジェンダー政治に関して非常に左翼的な見解を持っており、親が娘にどう声をかけるか、自分の体について何を教えるかを指示する権利があると思っている 」と憤慨。また別の保護者は、「子供をどう育てるかについて、自分たちの政治的見解を親に指示している 」と、保育園の政治化を非難している。
イギリスの元教育大臣のジョン・ヘイズ卿は、このハンドブックに対し、「この馬鹿げたアドバイスは、可愛いと言われたり、プリンセスのような格好をしたり、ただ子供時代を楽しむことを禁止し、小さな女の子たちの視野を暗くするものだ」とコメントし、非難している。
一方、同保育園の広報担当者は、このハンドブックについて、親が娘を「自信に満ちたリーダー」に育てるのに役立つものだと説明。「娘を、有害なジェンダー・ステレオタイプから解放された、強く、自信に満ちたリーダーに成長させたいと考えている人たちのために、外見以外の女の子の特性に焦点を当てることをアドバイスしている」とコメントしている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.14)