2019年にカカアコ地区でアラモアナ・ブルバードからアラモアナ・パークへ渡る交差点で信号待ちをしていた歩行者3人が、暴走して来たトラックに轢かれて死亡した事故を覚えている人は多いだろう。

死亡した3人の他に別の3人の歩行者も轢かれて怪我を負っており、暴走トラックはそこで停止せずに赤信号で止まっていた別のトラックにぶつかって、そのトランクを運転していた男性にも重傷を負わせた事故だ。

犯人は捕まり、暴走の原因は警官の追跡を振り切るためだったことも判明している。

トラックを運転していたアリンス・スマング（29歳）は司法取引を行ない、30年の禁固刑という判決を受け入れることになると3月10日ホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。

死亡したウイリアム・トラビス・ラウさんの父親は、この30年という刑期に不満を表明しているという。

「私たち家族は30年というのは短すぎると思っています。3人の人間の命が奪われたのです。犯人が釈放されるときにはまだ59歳なんです。しかし、検察からは現在の司法制度では30年が一番厳しい刑だと説明されました。私たち家族は、犠牲者にもっと配慮した司法制度改革が必要だと感じています。30年が最長だということはわかっていますが、それより前に仮釈放が認められるかもしれません。私は仮釈放判定委員会に対して仮釈放を認めないよう求めるつもりです。地域社会を守るために何をすべきかを委員会に訴えようと思います。彼は事故を起こしたときに仮釈放中で、度重なる犯罪者であり、テロの脅威であり、人殺しなのです」

判決自体は6月17日に行なわれる予定となっているが、30年という禁固刑に変更はないだろうとされている。

検察庁のスティーブ・アルム氏はホノルル・スター・アドバタイザーとのインタビューで、「もし司法取引なしで裁判になった場合に、刑期の長さは裁判官に一任されてしまい、20年となったかもしれない。30年は妥当な刑期だと思う」と述べている。

アリンス・スマングは2016年にテロ行為を起こすという脅迫をした罪で仮釈放中だったため、仮釈放中に再び事件を起こしたことで5年の刑期が追加されることになっている。