【世界のこぼれ話】TOFUはわいせつ? ナンバープレートが禁止に メイン州
メイン州に住むヴィーガン(菜食主義)の人々は、「TOFU(豆腐)」という言葉を含む自動車のカスタム・ナンバープレートが州の取り締まりに遭い、落胆した。
アメリカでは、車の所有者は、追加料金を支払ってナンバープレートに好きな言葉や数字を入れることが可能だが、いくつかの州では社会的に不適切な表現に対して規制する動きが出ている。メイン州はその規制をスタートした州のひとつで、今年に入ってから274枚のナンバープレートの回収を決定したと、AP通信が伝えている。
ピーター・スタロステッキさんは、「LUVTOFU」というナンバープレートが規制の対象となったことについて、州に反論を訴えた。これはLove Tofuという豆腐への称賛を表しているものであり、「肉や動物性食品を食べることへの抗議だ」としている。ところが、州は、この表現が性的な言及と見なされる可能性があるとし、スタロステッキさんの訴えを退けた。
また、愛犬家のヘザー・リビーさんは、雌犬を表す言葉を使用していたナンバープレートを、不適切だとして州に取り上げられた。「近頃、みんなひどく過敏だ。バカバカしいとしか思えない」と語る。
メイン州では2015年、車の所有者が英字や数字を選べるバニティ・ナンバープレートの審査を事実上終了したが、そのせいで不適切な表現を使用したものが続出していた。州議会は自動車局に対し、約12万枚のバニティ・ナンバープレートの審査を再開するよう指示。新しいルールでは、年齢、人種、民族、性的指向、性自認、国籍、宗教、障害に対する軽蔑的な表現が禁止されるほか、暴力を煽るような表現や、わいせつと思われる表現も規制の対象となる。
2020年、連邦裁判官は、「趣味や良識に反する」プレートを禁止するカリフォルニア州の規定は広範すぎるとし、言論の自由に対する憲法上の権利を侵害するとの判決を下した。また、テキサス州当局は今年初め、スタロステッキさんと同様のナンバープレート「LVTOFU」を却下し、動物愛護団体からの非難を招いている。
なお、スタロステッキさんには「V3GAN」という別のナンバープレートが用意されたが、彼はそれを拒否し、現在は州が無作為に英数字を配列したナンバープレートを使用している。また、リビーさんは、Bワードに代わり、愛犬ゼウスを祝うバニティ・ナンバープレートを手に入れた。「ギリシャ神話に登場する神様の名前だから、誰かにとっては不快かもしれない。でも、そうでないことを願っている」
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.9)