8日(水)、ハワイでの銃による暴力の減少を目的とした立法府の活動を祝し、州議会議員と銃規制擁護派が集会を行ったとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
上院司法委員会の委員長を務めるカール・ローズ上院議員(ヌウアヌ、ダウンタウン、イヴィレイ地区)は、狩猟や自宅の防衛など、銃が重要な場面はあるとしつつも、それと街中で銃を所持することとは別であるとし、銃の規制緩和に関する風潮を批判した。「銃産業は、皆が銃を持てば社会はより安全になると信じ込ませようとする。安全のために銃が必要だと。まったくもってナンセンスだ」。
昨年6月、連邦最高裁は、ニューヨーク州ライフル・ピストル協会対ブルエン裁判で、銃の携帯を禁止するニューヨーク州の法律は違憲であると判決を下した。ローズ議員はこの判決を振り返り、「リベラルな最高裁が誕生すれば、すぐにでも覆されるだろう。それほどひどい判決だ」とコメント。また、この判決が、銃所持の規制緩和による被害を最小限に抑えるための法案の検討を後押しすることになったと述べた。
下院法案(HB)984と426の内容は、下記のとおり。
- HB984:特定の場所での銃器の使用を禁止。また、銃の携帯許可証の所持と開示を義務付け、無人の車内に安全でない銃器を放置することを禁止し、アルコールや薬物の摂取や影響下にある状態での銃器の携帯を禁止する。
- HB426:州司法長官、郡弁護士、検察官が、法案で定義される行動基準に違反した銃器業界のメンバーに対し、民事訴訟を起こすことを許可する。
下院司法・ハワイ問題委員会(Hawaiian Affairs Committee)の委員長を務めるデビッド・ターナス州議員(ハヴィ、ワイメア、ワイコロア地区)は、この2つの法案について「下院から上院に提出される非常に強固な法案」と述べている。
シルビア・ルーク副知事は、全米の大学での銃乱射事件が過去10年間で4倍に増えていることに触れ、「ハワイは銃の安全性に関して第3位にランクされているが、それを差し引いても、ハワイ州では年間約55人が銃によって命を落としている。55人という数字は決して受け入れられるものではない」と語った。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.3.9)