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鉄砲水の危険、観光客も注意を

鉄砲水の危険、観光客も注意を

 ハワイ島からマウイ島に降る大雨の影響で、9日(火曜日)から10日(水曜日)にかけて雨はハワイ州全島に広がると見られ、8日朝現在ではフラッシュ・フラッド(鉄砲水)注意報が出ている。

 ハワイは小さな島に高い山々がそびえているために、山にたくさんの雨が降るとあっという間に鉄砲水となって流れてくる。天気予報で鉄砲水の注意報や警報は発令されているのを確認し、天候が悪いときにハイキング出ることを中止するのは地元住民にとっては当たり前のことだ。ましてや流れている水が土で濁って茶色になってきたら、上流で増水している証拠としてすぐに逃げる必要がある。

 しかし、地元住民には一般的なことでも観光客にとってはそうではない。マウイ島ハナ地区では、2月18日にカリフォルニア州からやってきたシャノン・ベンステッドさんが鉄砲水で海まで流され遺体で発見された。その9日後の2月27日にセバスチャン・バーガスさんと友人のアンジェロ・ルイズさんも同じハナ地区で鉄砲水に流された。ルイズさんの遺体は翌日に海で発見されたが、バーガスさんはまだ発見されていない。

 遭難した当時そのエリアには鉄砲水警報が発令されていたが、バーガスさんの妻レイラさんによると、家族の誰もそれに気づかなかったという。
 「鉄砲水と言われても、私は雨がたくさん降る程度にしか思わなかったし、9日前に鉄砲水で女性が流されて死亡したということも知らなかった」

 3月7日、バーガスさんの捜索のために働いてくれた人々に感謝するためにカリフォルニアから再びハワイを訪れた家族はセレモニーを執り行い、2人が流されたと思われる場所に2本のアボカドの木を植えたとKHONが伝えている。

「11カ月の双子の娘たちが大きくなったら、またここに来たいと思います。アボガドの木の下で、娘たちに天国に行った父親のことを話します」

(日刊サン 2021.03.08)

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