ラブズ・ベーカリーが倒産
100年以上もハワイで愛されてきたラブズ・ベーカリーが3月末日をもって閉じることになり、231人の従業員は全て失業することになるとKHONが伝えている。
ベーカリーによると、新型コロナウィルス感染拡大による打撃が主な原因で売り上げが激減し、機材部品や材料の調達が遅れるなどの問題もあったという。
「家賃も滞納している状態で、コロナで打撃を受けた企業への2回目のPPPローンを申請することもできなかった」
ハワイのスーパーでラブズ・ベーカリーのパンを見ない人はいないほどの地元の有名企業が今回事業を閉鎖せざるを得ない状況になったということで、ハワイ商工会議所では、今後さらに事業を閉鎖する企業が続き倒産ドミノが起こるのではないかと懸念している。
会長のシェリー・メノー・マクナマラ氏は「コロナがどれだけ多くのビジネスに打撃を与えてきたかということです。現在の経済の状況をよくするための対策をすぐに立てないならば、残念なことですが、もっと多くの企業が倒産していくことになるでしょう」と述べており、現在開催されている州議会において企業を援助するための何らかの対策を立てるよう要望している。
「連邦政府のPPPローンを申請するためにはかなり厳しい制限があります。州政府には地元の企業を守るための何らかの救済プログラムを立ててもらいたいという声が上がっています」
ラブズ・ベーカリーは一般消費者へ販売していただけでなく、ホテルやレストラン、学校給食にもパンやその他商品を供給していた。
「コロナでホテルやレストランが閉まってしまい、その結果注文が減り、パン屋が倒産するという流れは、全てコロナの犠牲の連鎖だ」とハワイ・レストラン協会のシェリル・マツオカ氏は語っている。
ラブズ・ベーカリーからバーガー用のパンを仕入れていたレインボー・ドライブインによると、「これからどこからパンを仕入れたらいいのか、同業者はみんな困っている」という。
ラブズ・ベーカリーは現時点で、タムラズ、フードランド、タイムズ、ウォールグリーン、セーフウェイ、ロングスにパンを卸している。
レストランも含め今後どこからパンを仕入れることになるのか不明だが、パンの値上がりを懸念する声が上がっている。
(日刊サン 2021.03.02)
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