25日(日)の早朝、日の出を見るためにハワイ島の最南端の岬を訪れた旅行者が、レンタカーごと崖から転落する事故が発生したとKHON2が報じている。
ハワイ島消防署によると、午前3時38分、サウスポイントにて人が海中で遭難しているとの通報を受けたという。救助隊はすぐさま現地に向かったが、遠方のため到着までに約30分かかったという。
サウスポイントはハワイ諸島の最南端に位置し、旅行者にも人気のスポットとなっているが、街灯などはなく、アクセス道路の事情も悪く、道も舗装されていない。携帯電話も通じないため、レンタカーはサウスポイントには行けないことになっている。
この運転手にとって幸運だったのは、釣り人が付近にいて、ジープが崖から落ちるのを見ていたことだった。スピアフィッシングに行くために日の出を待って近くで寝ていたマイク・ムーディ氏は、「時速40~50マイルの風が吹いていたので、近くにいたにもかかわらず、何が起こっているのかわからないほど何も聞こえなかった」と語った。
近くにいた若い男性が、寝ていたムーディ氏とダイビング・パートナーを起こし、何が起こったかを教えてくれたという。「もし彼が見ていなかったら、運転手は100%死んでいただろう」
崖から落ちたジープは斜面に逆さまになった状態で止まった。ムーディ氏は、「運転席側のドアはロックされていたか岩に挟まれていて、男性は運転席側から出ることができず、車の助手席側に行き、ドアを開けるとすぐに水の中に落ちた」と語った。
ムーディ氏は飛び込むかどうか迷い、ダイビング・パートナーは念のためダイビング用の浮き具を手に取ったが、男性はすぐにポイントに向かって流された。その後、救助のヘリコプターが到着したとき、男性は強い流れに逆らって泳ぎ、岩壁の方に戻ることができたという。
ハワイ島消防署のカズオ・トッド署長は、「彼は岸から80フィート離れたところで仰向けに浮いていたので、私たちが誘導し、安全な場所まで泳いでいった」と説明した。その後、消防隊員はテクニカルロープを使って男性を安全な場所まで引っ張った。
最近、GPSの誤誘導によりハワイ島カイルア・コナのボートハーバーにレンタカーが水没する事故が数件発生しているが、今回の転落はGPSによるものではなく、男性は夜明け前の暗闇の中でオフロードを走行しており、自分がどこへ行くのか注意を払っていなかったことが原因と見られている。
男性は顔面負傷、擦り傷、軽度の低体温症で手当てを受け、近くの病院に搬送されたが、命に別状はない。なお、26日(月)早朝にレッカー車が到着し、ジープを崖から撤去した。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.2.27)