カウアイ島西部で22日午前10時頃、ヘリコプターが墜落し、4人が犠牲となった事故で、米国家安全運輸委員会(National Transportation Safety Board: NTSB)は24日、事故原因についての調査を開始した。
墜落したヘリコプターは、米太平洋ミサイル試射場(Pacific Missile Range Facility: PMRF)の民間請負業者、クロマン・コーポレーションが所有するシコルスキーS-61N。同機は、同日午前9時24分、訓練のためバーキング・サンズ空港から離陸していた。
前NTSB上級航空安全調査官のグレッグ・フェイス氏は、KHON2のインタビューに対し、「事故原因の調査においては、墜落直後の現場検証が最も重要だ」と話した。「事故原因には揮発性の物質が関わっている可能性もあり、そういった物質は、環境の影響で消滅したり、変化することが多い」
NTSBは声明の中で、「事故原因について、当時の気象状況、飛行レーダー、管制塔との通信、機体のメンテナンス、パイロットの健康状態の各記録が調査されている。NTSBでは、人間、機械、環境の3つを基軸として事故の調査を行う」と説明した。また、NTSBは 12日間の調査の後で予備報告書を作成するという。
墜落したヘリコプターは、事故当時、機体底面から長く吊り下げられた訓練用の負荷を装着していた。NTSBは、負荷が事故原因に何らかの関わりがあると見て調べを進めている。目撃者の話によると、ヘリコプターは突然、頭を下に向けて直角になり、墜落直前にカーブを描いたという。
フェイス氏は、「機体底面のフックに吊り下げられていた負荷が過剰積載だった可能性が高く、負荷が機体を引っ張る形で前進を阻んだと考えられる」と話した。フェイス氏によると、原因が解明されるまでには最長で18ヶ月かかる可能性がある。
PMRFは、犠牲者らの喪に服するため、24日深夜から週末までの間、現地空港での活動を一時的に停止している。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.25)