マジック・マッシュルーム合法化法案 審議通らず
幻覚作用を引き起こすサイケデリック・マッシュルームは通称マジック・マッシュルームと呼ばれているが、この使用を合法化し、州保健局によって管理された環境の中で人々が有効成分を利用することができる治療センターを開発するという法案が、2月24日の州議会の司法委員会の審議を通らなかったとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
しかしマジック・マッシュルームの合法化は、アメリカの他の州において承認されていることからこれからさらに推進が強まりそうだという。
オレゴン州は昨年11月にアメリカ国内で州として初めて、サイケデリック・マッシュルームの主な有効成分であるサイロシビンを合法化した。
コロラド州デンバー市、カリフォルニア州サンタ・クルーズ市およびオークランド市、ミシガン州アン・アーバー市などはすでに市の条例として認めている。
マジック・マッシュルームの合法化は1960年代から1970年代のカウンターカルチャーの流れとして見なされているが、医学研究者の一部では、うつ病、不安神経症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、摂食障害などの症状に有効性があると言われている。
ニューヨーク大学医学部とジョン・ホプキンス大学が行った研究では、サイロシビンは死が迫っているがん患者のうつ状態を緩和することに効果があったという。
ハワイ州においてもその効果があると主張する団体や、個人的にマジック・マッシュルームを使用して効果があったと主張する人々がこの法案の合法化を支援していたが、州保健局や警察署からは反対の声が上がっていた。
保健局はサイロシビンには精神衛生の諸症状に効果があるかもしれないとしながらもその安全で効果的な投与が証明されていないとしており、警察署は幻覚作用の危険性を懸念している。
結局この法案は上院議会の司法委員会の審議を通らなかった。
この法案を作成したスタンレー・チャン上院議員は「最近のマジック・マッシュルームの研究において精神衛生上の効果には素晴らしいものがあり、必要としている人々が治療を受けられるように今後ハワイでも広く受け入れられるよう願っている」と述べている。
(日刊サン 2021.2.25)
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