18日(日)、カイルアに住むスリーナ氏一家は、ガレージから出火した火災により、家屋に大きなダメージを負った。火元は電動自転車(Eバイク)のリチウムイオンバッテリーだと見られているとKHON2が伝えている。
ジェフ・スリーナ氏によると、普段末娘が乗っていた自転車が出火原因であると消防署員は語ったという。同氏は、取材班に対し、「コンセントが差し込まれていたかもしれないし、そうでなかったかもしれない。ここにケーブルがあるが、もうコードが残っていないからわからない。フレームしか残っていない」と語った。
一家のガレージは、火災により見る影もなく焼け落ちている。スリーナ氏は、「天井の扇風機やピックアップトラック(トヨタ・タコマ)のフロントエンドが溶けた」と語った。しかし、炎はガレージだけには留まらず、すぐに広がり、キッチンとリビングルームが被害を受けた。また、各部屋に煙による被害があり、天井の毒素が家全体に影響し、住めなくなったという。妻のステイシー・スリーナ氏は、「なによりもひどいのは、住めないことだ。もう二度とこの家には戻れないだろう」と語った。
ホノルル消防署(HFD)によると、リチウムイオンバッテリーはいくつかの理由で熱暴走する可能性があるという。
- 過熱:バッテリーを高温の車内に放置する、火元の近くに置くなど。
- 過充電:バッテリーを長時間接続したままにするなど。
- バッテリーの破損:地面に落としたりぶつけたりなど。
上記のような場合、バッテリーパックが損傷し、膨張し、熱暴走する可能性があるため、注意が必要だ。各バッテリーには50から100個のセルが含まれており、HFDの火災調査官であるカール・オオツカ氏によると、ドミノ倒しのように1つのセルから次のセルへ、そして次のセルへと熱暴走していくという。
HFDによると、2022年にはこの種のバッテリーによる火災が4件、2023年には18件発生している。同署は、チウムイオンバッテリーは家の中に保管すべきではなく、ましてや充電すべきではないとし、日陰で風通しの良い屋外スペースが望ましいとしている。
なお、スリーナ家の住宅が火災に見舞われた際、4人の娘たちは家におらず、4匹の犬たちはすべてHFDによって救出されたため、一家のメンバーは全員無事だった。スリーナ家は現在、近所の家に身を寄せている。消防当局の予備調査によると、被害総額は約34万5000ドル(約5170万円:150円/ドル換算)と見積もられている。
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画像:Shutterstock.com
(日刊サン 2024.2.23)