【ハワイニュース】2019年カカアコ交通死亡事故 ホノルル市さらに500万ドルの支払い
2019年にカカアコで起きた交通死亡事故では、警察の追跡を逃れようと暴走したトラックが信号待ちをしていた歩行者のいた交差点に突っ込み、3人が死亡4人が負傷した。
トラックを運転していたアリンス・スマングは有罪を認めて、30年の禁固刑の判決が確定しているが、ホノルル警察による無理な追跡が事故の一因とされ、死亡した人の遺族たちからホノルル市に対する訴訟が起こされている。
死亡したトラヴィス・ラウ医師の妻と両親はホノルル市を相手取って訴訟を起こし、昨年ホノルル市から1,000万ドル(およそ11億5,000万円)を示談金として受け取り提訴を取り下げている。
同じく事故で死亡したカシミール・ポコーニーさんとレイコ・イケダさんの遺族は、重傷を負ったリアナ・マッカーディーさんとダニエル・ヴェルダレームさんらとともに訴訟を起こしていたが、今回もホノルル市は示談金を支払う方向で動いていた。
その結果、ホノルル市側が500万ドル(およそ5億7,500万円)を支払うことで決着することになったとKHONが伝えている。
ホノルル市議会はすでに示談金を支払うことを可決しており、23日(水曜日)に最終承認を受ける予定になっている。
元ホノルル市運営局長のダグ・チン氏は「このまま訴訟を継続して裁判となった場合には、さらに多額の法廷費用がかかるとともに、陪審員によって非常に大きな金額の賠償金の支払いが命じられることになる可能性がありました。示談金の支払いはそのような状況を避けるためです。示談となることで、ホノルル市はもっと大きな金額の支払いとなる可能性を回避することができ、遺族や被害者にとっては一種の解決がもたらされることになります」と述べている。
お互いが納得する金額という点では、死亡した人が生きていたら受け取るはずであった将来の所得額と他の事故の示談金を参考に決められるという。
今回の事故では、追跡をした警察官が追跡をするために必要な手順を踏んでいなかったことが一因とされている。
事故現場で事故について話をしている2人の警察官が着用していたボディカメラのビデオ映像では、警察官の1人が「追跡をする時にはライト(青色灯)をつける時間なんてない。私のライトはついていなかった。警告灯はついていなかったんだ。このことはきっと見つけられるだろう」と言うと、もう1人の警官が「そうだ。だからそうなるって言ってるんだ。きっとこの件で私にも聞いてくるだろうと言ってるんだ。ビデオとかあるんだから」と答えている。
追跡をした警察官は、すでに解雇されている。
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写真: Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.23)