タイムシェアの稼働率がパンデミック前の水準にまで戻ってきているとホノルル・スター・アドバタイザーが伝えている。
ホテルやリゾート・コンドミニアムよりも早い回復となったようだ。
州の経済開発および観光局(DBEDT)の発表によると、2022年の7〜9月期(第3四半期)には、タイムシェアの平均稼働率は92.7%に達し、州全体での稼働率がパンデミック前を超えたという。
2019年第3四半期の稼働率は92.1%だった。
これに対し、ホテルやリゾート・コンドミニアム市場では、昨年第3四半期の稼働率は77.4%とタイムシェアほどの伸びを見せてはいない。
関係者によると、回復の理由として、タイムシェアは一般的にホテルと比べて部屋が広いため、ハワイにいながらにしてリモートで仕事ができるからではないかという。
DBEDTによると、2022年第3四半期にハワイを訪れた観光客の9.1%がタイムシェアに宿泊している。
2019年には8.5%だったことからも、回復の大きさがうかがわれる。
これは、ハリケーン・イニキがハワイを直撃した時も、回復はまずタイムシェアから始まったことと似ているという。
専門家は次のように説明している。
「ハワイのタイムシェアを利用する観光客の多くは、地元に密着し、ハワイに愛着を感じている。その文化と美しい自然のおかげで、ハワイは非常に魅力的な旅行先となっている。特にリモートワークが定着し、どこにいても仕事ができる環境となってきたため、この傾向はさらに強くなるだろう」
タイムシェアの宿泊日数が、2019年の平均9.3日から9.7日となっていることからも、仕事をしながらより長いバケーションを取るというスタイルになっていることが見られ、今後もそのトレンドが広がると予想される。
全米で見ても、タイムシェアの売り上げは大きく伸びてきている。
2019年には100億ドルを超え、その後のパンデミックで低減したものの、ほとんどの人が旅行に出かけることができなかった2020年に49億ドルとなっている。
ハワイでは2023年に1つ、2024年には6つのタイムシェア・リゾートの建設が予定されている。
一方で、ホテル業界では、パンデミック前の状態に戻るまでにまだ時間がかかりそうだ。
2023年の予測では、オアフ島のホテル稼働率は当初81.2%だったものを下方修正して79.5%としており、1日の平均宿泊料金は230ドルから223ドルと下落している。
日本からの観光客が思っていたほどのペースで回復していないことがその理由として挙げられている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2023.2.21)