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命がけの救助活動

命がけの救助活動

ヴァレリー・クーリッジさんは216日にノースショアにあるタートルベイ・リゾートの近くの海でスノーケルを楽しんでいたが、大きな波に拐われて沖に流されてしまった。

岸に向かって泳ごうとしても引いていく波の力が強くて、どんどん沖の方へと引っ張られていく中で、懸命に助けを求めて叫んだが、あたりには誰もいない。

クーリッジさんは「ああ、神様。これでおしまいだわ。私は死んでしまう。ここで死ぬんだわ」と思ったという。

解体業社の従業員であるパレイウプ・ニコさんは、その日タートルベイ・リゾート内の解体作業をしていた。

海沿いにある木陰で昼食をとっていたとき、微かな声が聞こえたような気がした。

海沿いを歩いていくと沖の方に女性が漂っているのが見えたため、ニコさんはすぐに作業用ブーツを脱いで海に飛び込んだ。

「流れは強いし、女性がしがみついてくるのでうまく泳ぐことができずに大きな波が岸に向かってやってくるのをひたすら待ちました」

大きな波が来るたびにニコさんはクーリッジさんを岸に向かって押し出すものの、引き戻す波に拐われて岸にたどり着けない。

クーリッジさんはニコさんに向かって「私のことはもういいのよ。もういいから」と言ったが、ニコさんは諦めなかった。

そして何とか2人は岸にたどり着き、クーリッジさんは岩でかすり傷を負っただけで済んだという。

ニコさんは救助活動の後、濡れた衣服のままでまたブーツを履いて解体作業を続けた。

クーリッジさんはニコさんをヒーロー(英雄)と呼んだが、ニコさんは「それはちょっと言い過ぎだ」と謙遜したとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。

(日刊サン 2021.2.18)

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