フロリダ州で撮影されたボディカメラの衝撃的な映像に、保安官代理がドングリの落ちる音を銃声と勘違いした様子が映っていたことが話題になっているとWALAが伝えている。
事の発端は、オカルーサ郡の複数の保安官代理がマーキス・ジャクソン氏に関する通報に駆けつけたことだった。同氏の恋人の女性は、同氏が彼女の車を盗み、彼女を脅していると通報した。女性は、同氏がサイレンサー銃を持っており、それがどこにあるかわからないと捜査官に話したという。
保安官代理らはジャクソン氏を捜索し、手錠をかけ、ジェシー・ヘルナンデス保安官代理のパトカーの後部に乗せた。ボディカメラの映像によると、ヘルナンデス保安官代理がジャクソン氏が座っている後部ドアまで歩いていったとき、銃声のような破裂音が響いた。それを聞いたヘルナンデス保安官代理は発砲されたと思い、倒れ転がった。そして、パトカーに向かって何度も発砲し、空になったクリップ(挿弾子)を交換した。
このとき、現場にいたもうひとりのベス・ロバーツ巡査部長のボディカメラの映像では、ヘルナンデス保安官代理が「発砲」と叫んだ後、ロバーツ巡査部長も発砲し、応援を呼んでいる様子が映し出されている。
しかし、最初に鳴った破裂音は、発砲ではなく、落ちてきたドングリがパトカーの屋根に当たった際のものである可能性が高いことが確認された。また、保安官事務所によると、ジャクソン氏は武器を持っていなかったという。
この発砲騒ぎによる負傷者はなかったが、ヘルナンデス保安官代理は辞職した。ロバーツ巡査部長も発砲したが、オカルーサ郡保安官事務所は、ヘルナンデスが叫んだ後に実際に発砲しているため、彼女の行動は合理的であると判断した。
エーデン保安官は、「我々は市民を失望させた。ジャクソン氏にとって非常に悲劇的でトラウマになるような事件であったことは認める。そのためにも、ジャクソン氏とその家族に謝罪することしかできない」と述べた。また、二度とこのようなことが起きないよう、今後このボディカメラの映像は保安官代理の訓練に活用される見込みだという。
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