ハワイを訪れていたアメリカ本土からの旅行者家族のうち、5人が百日咳(whooping cough)を発症していることがわかったとホノルル・スター・アドバタイザーが報じている。
州保健局(DOH)によると、この家族の子ども1人が入院し、5人全員がワクチン未接種だという。一家はオアフ島のホテルに滞在していた。DOHは、米国疾病管理予防センター(CDC)および他州当局と協力し、接触のあった可能性のある旅行者に通知している。なお、DOHの調査では、この家族のハワイ到着後の密接な接触は確認されていない。
CDCによると、百日咳はバクテリアによって引き起こされる感染力の強い呼吸器疾患で、空気感染する。初期の段階では、普通の風邪のように始まるが、後期には激しい咳の発作を引き起こし、10週間以上続くこともある。咳の発作は、息を吸い込むときに甲高い「ヒューヒュー」という音を出すことがある。また、とくに乳幼児に深刻な合併症を引き起こす可能性があり、顔や体に血の気がなくなり肌が青くなったり、呼吸困難などの症状が見られることがある。
DOHによると、2019年から2023年にかけて、ハワイでは89件の百日咳が確認され、そのうち28件は3つの感染拡大に関連しているという。なお、ハワイで最後に百日咳が確認されたのは昨年3月だった。
ハワイを含む米国では、百日咳の予防に役立つDTaPとTdapという2種類のワクチンが接種可能で、7歳以下の子供はDTaPを、それ以上の年齢はTdapを接種する。また、妊娠している場合は妊娠3カ月の間にTdapワクチンを接種し、胎児を早く守る必要がある。
DOHは、鼻水、発熱、激しい咳、呼吸困難、肌が青や紫色になるなどの症状がある場合は、できるだけ早く受診することを推奨している。
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画像:stock.abobe.com / Photoboyko
(日刊サン 2024.2.15)