【ハワイニュース】レッドヒル汚染水問題 一部住民に帰宅OKの指示 まだ不安を訴える住民も
ハワイ州は、レッドヒルの海軍の水道システムを利用しているレッドヒル陸軍軍用住宅に住む135世帯とレッドヒル小学校に対して、水道は飲料水として安全だと宣言をしたが、当局関係者は、これはそれ以外の地域ではまだ安全性が確認されていないということでもあると強調した。
昨年11月にレッドヒル周辺の水道水が汚染されていることが発覚して、州当局が飲料水として使用しないよう警告を発して以来、海軍水道システム内での区域の水道水の安全性確認は初めてのことになる。
しかし残っているその他18区域については、引き続き清浄化作業が行われているとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
海軍水道システムは周辺に住むおよそ93,000世帯に水道水を供給している。
デービッド・イゲ知事は会見で「今回の発表は一歩前進したことを示していますが、私たちは忘れてはいけません。今回の災害は起こるべきことではなかったのです。私たちがこのような状況になったのは、海軍が石油燃料で水道水を汚染したからなのです」と述べている。
一部住宅の水道水が今回安全だと確認されたことは、その地域に住む住民が自宅に戻ることが可能となったことを示している。
陸軍は汚染水問題が発覚してから該当する地域住民に対して食料と滞在する宿泊施設の費用を負担していたが、責任者であるスコット・ギャラウェイ大佐は、今週木曜日から今回水道の安全性が確認された地域住民に対する費用負担を停止すると述べた。
ギャラウェイ大佐は「水道水は住民にとって安全で清潔なものだと我々は確信しています。とはいえ、まだ不安を感じている住民が少なからずいるであろうということはわかっているので、ケースバイケースで対応していくことになります」と述べている。
この地域に住む住民は、近隣世帯の10%しか検査をしていないことについて不安を感じているという。
この地区に住むアマンダ・フェイント陸軍少佐は「全ての世帯を検査しないなんて受け入れられません。自分の家族が利用していた水道が汚染されたというのに、安全を証明する検査結果がなくてどうやって信用できるというのでしょうか?」と述べている。
同様にジェイミー・ウィリアムさんも「ショックを受けています。今回の汚染水問題では多くの人々が疑問をまだ感じていると思います。家に戻って水道水を使って大丈夫だと感じられるようになる前に質問に答えてもらいたいと思います」と述べている。
ホノルル水道局の主任エンジニアは「ハワイ州衛生局と海軍はたった10%にあたる世帯を検査して、すべてが安全だと推察していますが、私としては世帯全部を検査して信用を取り戻すことが重要だと思います」と述べているが、ハワイ州毒物担当専門家は10%のサンプル検査で問題はないとしている。
「統計学上では、10%のサンプルでの結果で99%の信頼性を得られます。世帯の100%の検査ではありませんが、10%のサンプル検査によって水道水は安全だということを確認することは適切なことだと信じています」
今後の計画としてハワイ州衛生局では、これから3カ月は世帯の5%で定期検査を行い、そのあとは2年間6カ月ごとに10%の世帯の検査を行っていく予定だという。
シェアする
写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.15)