宗教団体「リバー・オブ・ライフ・ミッション(The River of Life Mission)」は過去35年間、週に5日、チャイナタウンを中心にホームレスの人々に無料で食事を提供してきた。
しかしホノルル市と協議の結果、同団体はホームレスの人々に対する無料の食事提供をチャイナタウンからオアフ島の別の場所に移動して、サービスを継続することになったとハワイ・ニュース・ナウが伝えている。
2月10日(木曜日)リック・ブランジャルディ市長と宗教団体はこの件について共同発表をした。
市長と同団体は数カ月に渡って協議を続けたという。
同団体は長期間にわたりチャイナタウン周辺に住むホームレスの人々におよそ1,200万食に達する食事を提供してきた。
しかし昨今では、団体の提供する食事とサービスがより多くのホームレスの人々をチャイナタウン周辺に集める結果になっているという批判が起こっていた。
同団体の代表であるラン・ワトゥミュール氏は「私たちは食事を提供することで、ホームレスの人々と関係性を築き、信頼を得て、人々が必要としているものは何かということを理解しようとしてきました」と述べている。
団体はこの地域から出ていくようにという多くのプレッシャーを受けていたという。
ブランジャルディ市長は「無料の食事が手に入れられるということで、ダウンタウンに多くのホームレスの人々が集まるようになってしまったことは同団体が意図していなかった結果であることはわかっています。そして、人々を救済しようという団体の努力にかかわらず、ホームレスの人々は路上生活を続けたため、結果として深刻な問題の原因となってしまいました。安全性の問題が起こってきたのです。これは良いことではありません」と述べている。
同団体はダウンタウンでのチョコレート店舗といくつかのサービス提供を維持するが、ホームレスに対する食事の提供はもうすぐ終了するという。
これまでのような、200人に食事を無料提供するような大規模な場所の代わりに、30人ほどの少人数の人々を対象にする場所を数カ所オアフ島内に設置することを検討している。
新しい場所については検討中としている。
ホノルル市は問題となっている場所を移動させるだけでなく、ホームレスの人々が必要としている福祉サービスを今後提供していきたいとしている。
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写真:Shutterstock.com
(日刊サン 2022.2.11)